第31話 え?
聖女1号が去っていくと、溶けるように神殿らしきものの風景が崩れていき、あっという間に元の世界に戻った。目の前には食品店。
「マリリーン様、大丈夫で―」
ディールマティーナがそう言ったきり、言葉を失った。
そう。私は、さっきの神殿にいたままの姿をしていたのだ。
「―聖女様の誕生だわ!英知の、聖女、マリリーン!」
普段の冷静さからは想像のつかない大声でディールマティーナが叫ぶと、ありとあらゆる店の中から湧くように人が出てきて驚く。
先ほど注がれた記憶によると、どうやら梟のブローチは聖女や聖人になったものだけが付けられるものらしく、過去に盗もうとしたものや偽造しようとしたものはアルペンキューテによって処理(怖い)されているらしい。
ん?聞き捨てならないことが書いてある…
この直後に、私の視界はブ■■■■■■■■ラッ■■■■■■クア■■■■■ウトした■■■■■■■■■■。
「1代目の後に聖女・聖人になった者は、必ず他の者と熱病によって中身がすり替えられる」と書いてあることは知らずに。
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