第24話 新しい魔法

「えー、では今回は杖の使い方と挨拶魔法を教えます。」

今は魔術学の授業が始まったところ。今日はいろいろな場面で使われる杖の使い方とそれを使う魔法について教わる。

「魔石を皆さんに1つずつ配りますので、それを手で握っていてください」

私のところにも魔石が来た。野球ボールくらいの大きさの、透明な石だ。

「そこに魔力を込め、『トクタ』と唱えなさい」

「えと…『トクタ』…わあ」

魔石が自分の魔力の色に光った後、

銀色の持ち手に少し装飾が入っている杖に変化した。

「まあ!凄いですわ!一瞬で杖の形になりましたわ。」

ハリエットも杖が作れたようだ。

「普通の石のように見えるのに、不思議ですわね…。」

レイカーンも杖が出来たらしく、3人で驚いていると、先生の声がかかった。

「その杖の変身魔法を解除するには、『アントクタ』と唱えるのです。

…では皆さん、杖を魔石に戻してください。」

『『『アントクタ』』』

杖が魔石に戻った。

「…皆さんできたようですね。あまりにも魔力が少ないとこの操作にも時間がかかるようですが、今年の1年生は優秀ですわね。

では、先ほど言った挨拶魔法について説明します。

先ず杖を出し…『トクタ』…その後、『神々の御力を借り、貴方に祝福を与えます』と言います。そして、杖から魔力を出します。…今回の実験台はアルツデスタにしましょうか。見ていてください。

『神々の御力を借り、貴方に祝福を与えます』」

先生が文を言い終わると、先生の魔力の色の光が他領の1年生のアルツデスタに降った。

「初対面の貴族には必ずこの挨拶をすることになっているので、必ず覚えるように。それでは、隣の人に挨拶魔法をかけあいましょう。」

ペアのようになっている人の隣同士―私の場合はハリエットだった―に挨拶魔法を掛け合う。まず『トクタ』で杖を出す。

『『神々の御力を借り、貴方に祝福を与えます』』

お互いの魔力の色の光がお互いに降った。

「凄いですわね…。」

…すごいファンタジーだよ。マジ。…

しばらくすると鐘が鳴り、魔術学の授業は終わった。


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