SS オティーディディア 新入生は発明王⁉

わたくしはオティーディディア。5級中流貴族です。今の人はほとんど知りませんが、貴族学校で主事と呼ばれた人たちは皆、5級止まりとなり生活力を買われた元平民です。

わたくしも、今共にに働いているウルクスセーディオットも勿論その一人です。

あら、少し話がずれてしまいましたね。

それでは、この間の不思議な新入生の話をしましょう。

あのお方はマリリーンという方で、なんと平民ながら3級上流貴族の座を勝ち取った

お方なのです。

その時点でも不思議で凄い方ですが、なんと誰も思いつかなかったアレンジをする方だったのです。

ある日の事、わたくしが洗浄魔法で学校を綺麗にしていた時。

「主事さん!」

マリリーンに話しかけられました。

「うん?」

「これ、石鹸なんですけど…、いい香りがしますよ。

自分で作りました。これ、お風呂場に配置していただけませんでしょうか?」

少しかがんで匂いを嗅ぐと、ハーブのにおいがしました。

「おぉー。…いいね!この石鹸。何で作ったの?」

「理科学の先生から貰ったナチュリウムナトリウムもどきと、

廃油、自分で採った消臭効果のあるハーブです。

あ、あと水ですね。」

どれも大人なら知っている物です。しかも、廃油から物を作ろうとするだなんて…

「成程。マリリーン、今度作り方を教えてくれない?」

「良いですよ。」

わたくしはそれをお風呂場に置きました。


また数日後の事。

「主事さん。」

マリリーンがまた新しい物を作ったようです。

「今度は何を作ったの?マリリーン。」

「シャンプーと、リンスです。」

「いつも見ているものと少し違うね。あ、これもいい香りがするんだ。

これは何で作ったの?」

「えーっと、シャンプーは油、塩、ハーブです。リンスはお湯にお酢とレモン、ハーブをいれました。」

「また面白い物を作ったね…。

それじゃあ、これもお風呂の容器に入れておくね。」

「ありがとうございます!」

「いや、こちらこそ。」

しかもその後もお風呂関係だけでなく、魔力も多く、毛糸で綺麗なお花を作ったりして、どの教科の先生からも一目置かれています。

…英知の聖女マリリーン…そんな気がしてしまうかも…

マリリーンは聖女様、そして発明王な気がします。

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