第19話 隠れた才能
「?…わっ⁉」
突然レイカーンの居場所が流れ込んできた。
…居場所が分かったからいいけれど、何なのよ…
―この才能を授かって不機嫌になるのは、貴女が初めてですわ―
…え?えぇ⁉誰⁉…
突然頭の中に女声が響き始めた。
―わたくしは英知の神ブックアイレーナ。貴女のようにわたくしの加護を受けたものの中でも、さらなる才能を持ったものにしか与えられない特別魔術「魔力感知」が目覚めたのよ―
…え、英知の神様…⁉…
―魔力感知は『ルックフォーピープル』と唱えた後に、心の中で相手を思い浮かべると起動するのよ。今回は初めてだから自動的に起動したの―
…わ、分かりました。…
―じゃあ、わたくしはこれで帰らせていただきますわね―
…は、はい。さようなら。…
―えぇ、左様なら―
「あ、居場所が消えちゃった。」
『ルックフォーピープル』
レイカーンの事を思い浮かべる。
…え?何で中央館にいるの…
「皆さま、レイカーン様の居場所が分かりましたわ!」
「え?なぜ分かったのです?」
「えっと、まあ、詳しい話はあとでしますわ。皆さんはほかの人たちに居場所が分かったことを教えてくださらないでしょうか?」
「えぇ。分かりましたわ。」
「あぁ。了解した。」
私は中央館へ行った。
「いました!レイカーン様!」
「……………………」
「レイカーン様‼どうしたのですか⁉」
「ぁ、ぁあ、マリリーン様…?」
「大丈夫ですか⁉」
「え、えぇ。私、暗闇の神のご加護が働き、霊感が芽生えたのです。
それで霊感に引っ掛かったナニカを無力化したのです。」
「そうだったのですね…」
「何故驚かれないのですか?」
「実はわたくしも似たようなことを経験したのです。
わたくしが貴女を探していると、突然貴女の居場所が頭に入ってきたのです。
突然のことに驚いていると、英知の神の声が聞こえてきたのです。
それによって、この特別魔術『魔力感知』が目覚めたことが分かったのです」
「わたくしも全く同じ経験をしましたわ。」
「そうだったのですね。では、皆心配していますので寮に戻りましょう?」
「えぇ。」
寮へ行くと、数人廊下にいた。
「レイカーン様!良かった…」
「いったい何があったんだ?怪我はしなかったのか?」
「えぇ…」
それからレイカーンは先ほどの事を話し始めた。
「…そうだったのですね…。マリリーン様の人を探す能力は、同じようにして手に入れたのですか?」
「えぇ。違うのは英知の神だったことと、受け取った特別魔術が違うことのみですわ。」
「そうだったのか。取り合えず一件落着だな。
「「「そうですね。」」」
…本当に、無事でよかった…
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