第18話 レイカーンの失踪
「ふわぁ。今日の授業、なんだったっけ…」
コンコン。コンコン。
「は、はい?」
「あ、あの…ハリエットですわ。今入ってよろしくて?」
緊迫した声が聞こえる。
「よろしいですわ…。ハリエット様、どうしたのですか?」
ガチャ。
「レ、レイカーン様が消えてしまったのです!」
「え!いつから居なくなってしまったのですか⁉」
「朝、レイカーン様の部屋からまったく物音がしないので心配して、
ドアを開けたらレイカーン様がいなかったのです…」
レイカーンとハリエットの部屋は隣同士だ。
「そ、側仕えには言いましたか?」
「えぇ。もう捜索を始めています。」
「ど、どうしましょう⁉わたくし、デ、ディールマティーナにも報告してきますわ!」
「わたくしも、側仕え達に報告しますわ。」
側仕え館へ急ぐ。
コンコン。
「ディールマティーナ、ディールマティーナ!」
「開けてよろしいですわ。…一体どうしたのです!?」
「レイカーン様が消えてしまったのです!」
「まあ!置手紙などはありませんでしたの⁉」
「えぇ。手掛かりは全くありません。」
「急いで捜索を始めなければ!
マリリーン様、貴方は学生寮を探していただけないでしょうか…」
「えぇ、了解しました。」
「レイカーン様!レイカーン様?」
レイカーンがいなくなったことを起きている5~3級の皆に伝え、
捜索を始める。
「レイカーン様…」
「レイカーン!どこに行ったのだ…」
「レイカーン様ぁ!」
「レイカーン?レイカーン?」
「レイカーン様……
わたくしはハリエット。今学友のレイカーン様がいなくなり、皆で捜索しています。
「レイカーン様!どこにいらっしゃるの…」
「レイカーン様」
「レイカーン様…」
「子供たちは中庭も捜索してください!わたくしは先生方やほかの側仕え達に報告し、捜索していただきます!」
レイカーン様の側仕え、レージルユイナが仕切っています。
言われた通り、周りにいた子供たちは中庭へ出ます。
「ったく、なんで下流平民がいなくなったのを探さなきゃいけないんだよ…」
「ルーティト様、魔力量はあなたの方が下なのですよ!」
「はぁ…」
「ルーティト。仲間なんだよ?」
ナルディウス様がルーティト様に呼びかけます。
「わかったわかった。」
「お前も平民なのに、何言ってるんだよ。」
「っ!」
「ってかさ、あのマリリーンってやつ、聖女だ聖女だ言ってるけれど、
ちょっと知識あって魔力多めの中流平民だよな。」
「…ルーティト様!ディーモント様!」
雲行きが怪しくなって来たところで、同学年の2級上流貴族、アルバーティウス様が声を掛けてくださいました。
「「…」」
これでもう2人とも悪口を言えません。
…でも…
「レイカーン様ー!出てきてください…!」
勿論そんなことを言って出てくるわけがありません。
泣きたくなってきてしまいました。
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こんにちは。猫原みこです。
また事件が起きてしまいました…。
次回はマリリーンが魔力を使って大活躍するお話です。
それでは、さようなら。
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