第14話  シャンプー作りと薙刀もどき

ハリエットに良いシャンプーとリンスを作ってほしいと懇願された。

…シャンプーは油と塩、ハーブがあればいけるな。

リンスはお酢かレモンだけど…

先ずすぐできるシャンプーからだ。

油は使い道のない油の取れる実を貰って、絞る機械も借りて作った。

塩を入れて、前使ったハーブも入れる。あっという間にできてしまった。

リンスは結局お酢で作ることにした。お湯とお酢…これくらいだったかな?…を入れて、ラベンダーに似た香りのハーブを入れた。

…リンスインシャンプーのほうが正直楽な気がするけど…混ぜちゃだめだよね…

容器に入れて、完成だ。

とても好評で、追加を頼まれた。


翌日。

今日は騎士育成と文学、地政学がある。

騎士育成の部屋に行く。

今回は薙刀なぎなたのような物を使った練習だ。

「先ず扱い方を説明する。

このようにして持ち、魔力を注ぎ込む。

真ん中にはめ込まれた魔石が光ったら準備完了だ。」

ルーファンダー先生に言われた通りに握り、魔術学の時のようなイメージで魔力を注いでみる。

「あ」

黒かった魔石が赤色に光った。

「おぉ、マリリーンは魔力の使い方もうまいし、握り方も上手だな。

騎士に向いてるかも知れないな。」

「お褒め頂き有り難う存じます。」

どうやら女性は基本薙刀で戦うらしい。

男性は剣だ。

半分以上の薙刀の魔石が光ると、ルーファンダー先生が話し始めた。

「次に動かし方を説明する。

標的をにらみながら呪文を唱え、魔力を注ぎながら振り下ろす。

このような感じだ。

『ライデリーデヂュース』」

振り下ろすと、青い光がビュワンと音を立てて空を斬った。

間違いなく当たったらとんでもなく痛いだろう。

「さあ、始めなさい。」

「ライデリーデヂュース」

ビュワン。

どうやら魔石の色に影響されるらしく、赤い光が空を斬った。

「凄い…」

めちゃめちゃファンタジーだ。

私は前世、体が異様に弱く、こんな武器で戦えるだなんて想像していなかった。

まるで映画か何かの主人公になったかのような気分になった。

「マリリーン、才能があるぞ。

ちょっとお手本にしてもいいか?」

「はい。」

なぜか私は、お手本によく起用される。

「皆、いったん止めろ。前を向け。

マリリーンのお手本だ。マリリーン、好きなタイミングで始めろ。」

…よし。

「ライデリーデヂュース」

ビュワァァン。

ひときわ強い光だ。

「うわぁ!すごぉい…」

「マリリーン様、だっけ?すごいな。才能がありそう。」

「うん。僕たちも頑張らないと…」

学生に驚かれる。

「よくできた、マリリーン。今のところ騎士育成科一年生最優秀だぞ。」

「そうなんですの⁉」

まさか最優秀とは。

「あぁ。それじゃあ、元の場所に戻れ。」

「はい。」

…やっぱり言葉遣いとか、態度とか気にしたからかな?…

カラーン。

「あ、もうこんな時間だったか。皆、また次の授業で会おう。

次は魔術鎧の作り方だ。」

「はい。さようなら。」

次は文学の授業だ。

文学の担当は、クラークブラッケのダリアメイズ先生だ。

赤毛の天然パーマをセミロングにしている。小洒落た感じの先生だ。

「皆、こんにちは。今日は基本文字の続きを教えます。」

貴族学校入学時点では、あまりまだ基本文字をかけない子が多く、まず基本文字の練習から始まる。

黒板にすべての基本文字を書き、読みを教えると、紙を配り書き取りを始めさせた。

…っっと、これが「レ」で、これが「サ」…

前世では割と字がきれいだったし、この世界の綴りが少しアルファベットっぽいので、すぐに書き取りが終わった。

その後添削し、文学の授業が終わった。

数学の授業はアーレイベーティックのギルデストデーギ先生で、

計算機の使い方を習った。

それで今日の授業は終わりだ。

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