平民編

第2話 面白植物発見

転生して2日目。

「…?」

何かの変な声で目が覚めた。

寝室を見回すが、何もないし、人の声でもないようだ。

窓の外を見ると、信じ難いものを見つけた。

どぎつい紫の花が、二枚の花弁を口のように使い、歌っていたのだ。

「キャッ⁉」

少し怖くなってしまったので、居間へ急ぐ。

「母さん、おはよう。」

「マリリーン、おはよう。デュートはもう森へ行ってしまったわよ。急いでご飯を食べなさいね。」

異世界でも親が言うことは大して変わらなかったようだ。

「はーい。」

「私は工房へ行ってくるわ。デュートも心配してるだろうし、早くしなさいね。」

「分かった。行ってらっしゃい」

平民とはいえ、父は商人の中流家だし、ご飯も童話の中で出てきそうなものだった。

ここで気付きがあった。子供たちは十歳まで毎日昼時まで森に行き、午後は友達と遊んだりしているということと、

平民は基本共働きで、自分の母は彫刻工房で働いているということだ。

白パンとハムとサラダ、スープを食べ、マリリーンの記憶の中の地図を広げ、森へ向かった。

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