ススキノ鮫〜深夜のコンビニ〜

夏川冬道

ススキノ鮫〜深夜のコンビニ〜


深夜0時、俺はコンビニに向かっていた。目的はポテチを買うためだ。片道5分の道のりを自転車を漕いでいく。通い慣れた道で、スムーズに進んでいた。

 自転車を漕いでいるうちに気分が良くなってきたので鼻歌が出てくる。次の曲がり角を右に曲がればあっと言う間にコンビニだ。俺はコンビニの前のスペースに自転車を止めて俺はコンビニに入店した。

「?」

 コンビニの中はいつも通り変わらないがどこか様子がおかしかった。自分でも説明できない違和感に首を傾げながら棚にあったポテトチップを手に取り、買い物かごに入れる。すると、俺の後ろの通路の方向から人のようなものがカーリングのように滑ってきた。

 俺はとりあえず滑ってきた方向に駆け寄った。

「誰かと思ったら野田くんじゃないか、コンビニで会うとは奇遇だね」

「鮫島さん、何、コンビニで人間カーリングやってるんですか」

 カービィのように滑った人間のようなものは俺の大学のサークルOBの鮫島さんだった。


◆◆◆◆◆


「仕事が終わったので晩酌用のチューハイを買いに行ったらこのザマさ」

 鮫島さんと俺はコンビニ前でしゃがみながら談笑した。鮫島さんはサイボーグなので長時間しゃがんでも疲れないのだ。

「野田くんはコンビニで買い物かい?」

「ポテチを買いにきたんです」

「野田くんもちゃんと勉強しなよ」

 鮫島さん俺の肩を叩いた。

「じゃあ、俺は明日の仕事もあるから帰るから、それと野田くんにプレゼント」

 そう言って鮫島さんは俺にコカ・コーラのペットボトルを渡した。

「サークルの先輩から後輩への奢りだよ」

 そう言って鮫島さんは笑って去っていった。俺も自転車に跨り家路を急ぐのだった。


◆◆◆◆◆


「昨夜、鮫島さんにコンビニで会ったの!?」

 翌日、コロポックル先輩に昨夜の話をすると驚かれた。

「鮫島さんはすすきののクラブでDJの仕事で忙しいらしいと聞いたけど元気そうで良かったよ」

 コロポックル先輩は感慨深そうに話していた。

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