新規転移者募集〜「ヤバそうなので行きません!」裏話

るるあ

両足入り込んで、境界が消えたら契約成立

 どこまでも真っ白な世界。

 そこに、いわゆるお役所のような設備と、陽炎のようにゆらゆら揺れる何かが複数。


 〜♪♪♪♪

 お役所の机にある電話が、着信?


 そこに陽炎?の1つが触れると、事務服を着た妙齢の女性に変わり、受話器を取る。


 「はい、こちら転移請負協会斡旋課です。…そうですね、チキュウのニホンは大人気で、只今キャンセル待ちのみとなっておりまして。

 …あぁはい、路地裏、の? 確認致します、お待ち下さい。」


 これまた何故か現れた、パソコンらしきものをカチャカチャ操作しつつ、電話に応対する。


 「お待たせ致しました。モス○とキング○ドラがガメ○を取り合う所に居合わせる、深夜の路地裏奥の境界、“けんかをやめて”案件ですね。

 何名か出入りを確認しておりますが、ええ。ご成約には至りませんようで。


 …誠に恐縮ですが、ケイジバン、という物はご存知ですか?チキュウの意思疎通システムのような物ですが…はい。そうです、キター!の、そう、それです。

 そこでこの境界について周知されておりまして、アトラクション的な形で受け入れられておりまして…、はい。


 あっ、この案件は終了、という事で。承りました。


 恐縮ですが…もう一件、扉からダンジョンに通じる境界もございますが、こちらは如何致しましょう?


 そうですねー…条件を絞っております関係上、現在出入りは、お一人様のみ、です…。

 それでは、こちらを深夜の散歩で遭遇する形に変更、という事で。ええ、オプション内ですので、追加のお納めは発生致しません。


 はい。それでは、またのご利用お待ちしております。失礼致します。」


 話が終わると、電話やパソコンがふっと消えた。


 陽炎?達が、まだ人形の個体にワチャワチャとまとわりつく。


 「…上手く、出来てましたか?…ええ、私の記憶が役に立ったようで良かったです。」


 えっ?このやり方が依頼元の神々に好評?

 はぁ、じゃ、皆さんも交代でやってみます?


 …いやいや、深夜の散歩で遭遇、の現場に行くのはやりすぎなのでは?!

 わ、私は行きませんからね〜!!!

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