第4話

 まあそんなこんでなで俺と久美香はめでたく付き合いはじめたが。依然離婚は成立していない。はい……あんなに嫌がっいてた不倫なんです。ただ、寸前をようやく理解してくれて、歩みよってくれている訳で。

 あれから久美香は良く飲むようになって、飲めない俺は結構辛い。俺のところに来てはトイレと仲良しで寝入ってしまう。

それをベッドまで運ぶのは……勿論おれ。

久美香が仕事に没頭すると、デートも侭ならない。ああ~もう一ヶ月は触れてない!って言ったら怒られた。私セックスマシーンじゃないとさ。

飲み過ぎでお金苦しいって泣きついてくる。待ち合わせは二時間遅刻当たり前。そのくせタバコの吸い殻の山を見て怒る。じゃちゃんと来いよ! 

極めつけは付き合って二年目、

元彼とより戻すからごめんねと言われた。へえ? なに? どうして?理由は……結構重かった。

でも……其れも過去の事で、今更

問題ないだろうと何時間も説得したが、結局距離を置くことになってしまった。其れから三カ月逢わずにいたが、俺が駄目だった。

逢いたくて逢いたくて。

 一生その事については口にしないし、一瞬たりとも嫌な思いはさせないからとも約束した。

「有難う優しいね京弥は。でね、あと三年仕事するけど……良い?」

お~期限切ってきた! そしたら晴れて結婚申し込む……。


久美香がいつも言ってくれるんだ。

「私……京弥を愛してるから大丈夫。ずっと大好きだよ」って。

そう…久美香は離婚について何も聞いてこない。

俺は必死だった 

何度も断られたが、親に土下座して二百万借り、貯蓄の百万あわせて三百万を妻に渡した。今まで金遣いが荒かった自分を本当悔いた。後は月払いでという念書を書いてやっと離婚届けに判を押させた。俺は本気なんだ。久美香と共に生きる人生描いているんだ。

 そんな久美香は相変わらず飲んだくれたり、買い物てはお金が足りないと、俺をこれでもかと振り回す。俺だってときには怒り、ときに嫌味を言ったりしたけど、それでもこいつといたいんだ。

 二人で過ごす休日は……ホント穏やかで、静かに時間が流れていく。幸せだと心から想えるから。

 俺たちは付き合って五年目にして遂に結婚した。

久美香はその日を境にお酒をやめた。……って俺もタバコやめさせられたけどね。

二年後……とある産婦人科。

「赤ちゃん出来てるって! どうする?って聞かれたけど……産むよね……」

「あのね! 産みますって早く言いなさいよ」 

「あの~旦那様どうか診察室に!」

さあ! 久美香と生きていく楽しみが、またひとつある増えたぞ。

ようこそ我が子よ!








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嵌ったのは 紫陽花の花びら @hina311311

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