唯穿つ


私じゃなくてもいいじゃない

私じゃなくてもいいんだよ

唯一無二なのは絵空事だけ


指が止まって ブラウザバック

私じゃなくたっていいんだよね


そっと離れて 静かにしてみる

全てをシャットアウトして

心の波が穏やかになったら目を開けて


色鮮やかな世界に黒点がポツン

ピンホールがあちこちにあって

印刷 剥げて掠れて色褪せて

それが私なんだ 鏡をぼんやり眺めて

焦点をぼやけさせたまま 視てる


追わない 追えない

終えない 負えない

お腹いっぱいなのに

もう要らないのに詰め混んで

また吐き出してしまう


眠ってしまえば

脳を止めてしまえば

楽なのに きっと


おめめパッチリ だから今日も今も

キュッと締まる心臓は鼓動を弾く


私は独りを望む

寂しがりな私の自己防衛


誰か 私を唯一にして

私だけだと愛してみせて


そしたら私も 愛して愛し抜くから

笑って 笑い合って イイ仲で愛を貫いて



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