第3話うちの病院はね、

私は、理事長室に呼ばれた。院長室に初めて入ると、そこには、別世界が広がっていたね。煌びやか豪華絢爛だ。その真ん中にある大きな机と大きな椅子に理事長らし40半ば程の男が座っていた。そして、その横に院長室に看護婦部長が立っていた。

「君が担当した患者さん死んだそうだね。誤嚥性肺炎で。まだ、うちに来て二週間ぐらいだったそうだね~家族さんもかわいそうに、本当は、もっと長生きできたかもしれないのにね~みんな君のせいだって、みんな言っているよ、聞いたけど、君は、経管栄養の使用をしなかったそうだね。なんで?」

「それは、ご家族様のご意向もあり、話し合いの結果、延命治療は、しないことになりました。」

「家族がしないと言ったからって、君は、医者でしょう、上手く誘導するべきだよね」

「・・・」

「医院長も看護部長もアドバイスしたらしいけど、なんで?しなかったの」

横にいたい院長が「何度も君に言ったのに、言われたとおりにさえしたら、死なないですんだのにと思うと悔まれるます。」その横で看護部長が大きく頷いていた。

「それは、ご家族様の意向がとても強く、患者さんも、回復の見込みもありませんでしたので」

「君は、馬鹿なのかね。家族の意向ってさっきから言うけど、素人相手なんだから、なんとでも言えただろ。我々は、医療のプロなんだよ。経管栄養なら誤嚥性肺炎もおこらないし、せめて予定していた日までは、入院してくれたら。こんな早く死んだら、予定していたお金も入らないじゃないか、ベッドが一個あいちゃたよ。医院長、看護部長、次の人は、いつくるの?もう、手配は、しているんだろうね。うちの病院は、満床じゃないといけないってわかっているよね。いつ来るの?」

「大丈夫です。もう、手配は、しております。明日には、参る予定です」と院長が言うと

「明日か、だがこのマイナスどうするの」

「大丈夫です。いろいろ手段ありますから。ねぇ看護部長。」

「大丈夫です。」

医院長は、私を睨みつけ

「今度からこんな間違いをおこさないように」と言った。すると理事長は、

「二度はゆるさないからな、うちの病院は、永遠に患者を死なさないと言うのがモットーなんだよ。憶えておけ。うちのシステムは、ぎりぎりまで入院して退院したら、うちの施設に行き、また、容体が悪くなって、うちの病院に入院して、また、施設に戻る。エンドレスなんだよ。誰も死なせたらだめ。そして、我々は、安泰するんだから。ばんばん、栄養をあたえてくれないと病院も君も路頭に迷うことになるよ、それでは、いけないだろ」

「はい、わかりました。」

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