第20話 手術当日~手術室へ
当日の朝は、いつも通り6時前に起床。前回の手術でやることは大体わかっていたので、ベッド周りの荷物を整理したり、ICUへ持って行く荷物リストを確認したりして、そわそわする気分を紛らわせながら待った。
8時になると担当の看護師さんが準備に来られ、手術着に着替えたあと、今回は病室で尿管をセットする。ここからはもうモルモットの気分で、ただただ言われるまま流れに身を任せ、準備を進める。
手術室まで前回は歩いて移動したが、今回はストレッチャーで移動しますとのことだった。看護師さんが一人でストレッチャーを押しながら、エレベーターを乗り換え、病院内を移動する。動かしやすい設計にはなっているだろうけど、女性一人でストレッチャーを移動させるのは大変そうだな~と思いながら看護師さんを見上げる。体力を使い、神経を使い、分刻みで働く看護師さんの仕事は本当に大変だなと頭が下がる。エレベーター待ちの時間、「歩いて移動すればよかったですね」と声をかけると、「大丈夫ですよ~。気にしないでくださいね」と笑顔が返ってきた。
手術室に入ると、今回もたくさんのモニターに囲まれた室内の中央に手術台があり、ストレッチャーからスタッフの方数名で、「いちにっさんっ」とよくドラマで見るように移動してくださった。細長い手術台の上で、スタッフさんに指示されながら頭の位置を調整する。
手術スタッフの方や担当のA先生、B先生、C先生と思われる方から「よろしくお願いします」と声をかけられるが、すでにメガネを外しているので顔はよくわからない。この日も小さく軽音楽が流れていた。目を閉じて深呼吸をしながら待つ。しばらくして心電図や血圧などの機器の装着が始まった。今回は酸素吸入は大丈夫かな?と思っていると、麻酔科の先生らしき「麻酔始めまーす」の声と同時に、体中にゾワゾワっとする感覚が流れ、うわ~、これは前と違う感覚…と考えている間に、数秒で意識が遠のいた。
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