第19話 2回目の手術~入院2日目

 入院2日目は、麻酔科の面談と眼科の検診のみという、のんびりしたスケジュールだった。麻酔科の面談は、前回の手術で酸素吸入が上手くできず呼吸困難になるという恐怖体験をしたので、今回は何としてでもそれを回避してもらうよう麻酔科の先生に訴えようと決意していた。

 午前中、看護師さんに「麻酔科の面談に呼ばれましたので行ってください」と言われ、一人で麻酔科に向かった。面談に対応してくれたのは、30代位の男の先生だった。「DVDはご覧になりましたか?」と聞かれ、「はい。麻酔に関するDVDがあることを今回初めて知りました」と率直に言うと、「前回は麻酔科が立ち会っていませんからね~」と言いつつ、全身麻酔について説明してくださった。その先生の口調がゆったり穏やかで、この病院で初めて(!)時間にゆとりのある先生に出会ったと感じる。簡単な説明のあと「何か質問はありますか?」と聞かれ、ここがお願いするチャンス!と前回の体験と不安を話すと、若干苦笑いしつつも「今回はすべて麻酔科で対応しますので、心配しなくても大丈夫ですよ~。他に心配事や質問ありますか?」と子どもに諭すように答えてくれた。この「他に質問ありますか~?」の返しを、この面談中に10回は聞いたような気がする。「病院の先生⇒イコール超多忙」のイメージだったので、麻酔科のみ時間の流れが違う異次元空間に思えた。ちなみに、面談してくださった先生が担当医ではなく、夕方、実際に手術に入ってくださるという麻酔科の先生が病室まで挨拶に来てくださった。少しご年配の優しそうな先生に「安心してくださいね」とニコニコして言われ、ホッと安心する。麻酔科は優しい先生が集まってるのかな? 麻酔科好感度、急上昇!

 眼科の検診は午後にあり、病院内の眼科フロアまでスウェット上下という部屋着で向かった。眼圧や視力検査のほかに、モノが2重に見える複視の状態をチェックするという、今までやったことのない視野検査をいくつか受けた。複視の状態は手術後の経過も見ないといけないとのことで、この日は検査のみ行って病室へ戻ってきた。昨日、回診時に指摘された左目の充血はそのままで、1日経ったら治るかも?と思っていた私の予想は外れてしまった。それにしても、家では全く気づかなかったので、入院してから充血が始まったのだろうか? ナゾである。

 夕方には再びシャワーを済ませ、無事に点滴もスタート。(今回はすんなりいってよかった~)明日は朝から食事抜きとなるので、夕飯も残さずしっかりと平らげる。いよいよ明日は2回目の手術。家族にLINEで様子を知らせつつ、ようやくだなと腹をくくった。

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