第16話 自宅待機期間②~主治医の説明

 退院してから10日ほどして外来診療があり、夫と一緒に再び病院へ向かった。退院前にC先生から外来診療の日程を聞いたときは随分先だなと思ったが、退院後しばらくは体がフラフラだったので、手術のダメージから体力や気力が回復して外出できるようになるまでその位の日数がかかるんだな、と後から納得する。

 病院に着いてから、先に1Fで採血を済ませて脳神経外科の窓口に向かう。採血の結果が出てからの面談になるため、1時間ほど待ち時間があった。

 呼び出し機が鳴って診察室に入ると、C先生が「その後いかがですか?」と言いながらPCを操作して、モニターに脳の血管画像を出してくださった。手術前の画像とコイルを入れた術後の画像を比較して、静脈への逆流が改善していることを説明される。当初のプラン通り、2回目のステント留置の手術を約1か月後の10月初旬に考えていること、手術の2週間前から血液をサラサラにする薬を毎日飲む必要があることなど、一気に説明があった。次が10月と聞いたときは、え~っ、またここから1か月待つんですか?という複雑な思いが湧いてきたが、今思うと、落ちてしまった体力を回復させて手術に備えるには1か月の期間が必要だったという気がする。

 C先生の説明の後、家で飲んでいる頭痛薬の副作用と思われる過敏症の症状が出たので、頭痛薬をなるべく飲まないようにしていること、血液サラサラ薬の副作用はあるのかなど、気になったことを質問した。頭痛薬は飲まなくてもよいが、血液サラサラ薬は必ず忘れずに飲むようにと念を押される。前回手術時に酸素吸入の管が上手く入らず、呼吸ができなくて死にそうな思いをしたと夫に話していたので、夫が次の手術は専門の麻酔科医が立ち会えるのかをC先生に確認してくれた。私が「あれ以来トラウマになってます」と切実な顔をして訴えると、C先生は苦笑いしながらも「次は必ず麻酔科医が立ち会いますので」と答えてくれたので少しホッとする。

 外来診療のあとは、また手術関係の同意書をどっさり受け取り、窓口で次回の入院受付等を済ませて帰宅した。

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