第8話 入院準備 その①

 帰宅後も1週間近く身体がだるく、食欲がなかった。生まれて初めて造影剤やら麻酔やらが身体に入ってきたので、予想以上にダメージが大きかったのかな?と想像する。頭痛や拍動性の耳鳴りも相変わらずなので、5~6時間間隔で処方された頭痛薬を飲み、寝るときは睡眠導入剤を服用していた。

 薬の服用時間を記録する目的と、1日の生活リズムを作るという狙いもあって、ノートに一日をどう過ごしたか、簡単なメモを取ることにした。(要はヒマだった)

 メモによれば、朝は4時半とか5時に目が覚めて、頭が痛むので頭皮のマッサージをしたり、ベッドでできるストレッチをして時間をつぶし、6時半には起床。簡単な朝食を済ませてから、洗濯や掃除といった家事を済ませる。一段落してから、ネットで必要なものを買ったり、パソコンで仕事の引継ぎ連絡をしたり、こまごまとした用事をこなす。何しろTVを見たり小さな文字を見ていると頭が痛くなるので、TVをつけても音を聞くだけ。パソコンも最小限。空いた時間はほとんど頭のマッサージをしたり、肩こり解消のストレッチやヨガをして過ごしていた。夜は、早めの夕飯を済ませてからバスタイム。ちなみに、お風呂のお湯につかると血流がよくなりザーザー音が激しくなってしまうので、片膝をついて下半身だけお風呂に入っていた。夏でよかった!そのあとはYou Tubeでいつもお決まりのリラックスヨガをしたあと、9時とか10時には睡眠導入剤を飲んで寝るのをルーティンにしていた。

 食事は3食摂っていたが、食欲がないのでご飯は食べられる量を少しだけ。あとは味噌汁やカップスープにおかず少々。暑さもあり自分で買い物に行く気力がなかったので、メモを渡して家族に買い物を頼んでいた。なぜかこの期間、ミニトマトのアイコが異常に美味しく感じて、アイコだけはおつまみのように食べ続けていた。あの執着は何だったのか?今にして思うとナゾである・・。

 入院に向けての準備は、ほとんどすべてネットで済ませた。検査入院は1泊だったが、今度は手術なので1週間程度かかるらしい。着替えや洗面用具、タオル類もある程度持って行かないとと考えて、足りないものは購入することにした。パジャマ代わりのルームウエアはユニクロのネットショップでスウェット上下を購入。(入院してから周りを見たら、皆さん前開きのパジャマを着ていたが、スウェットでも特に注意されることはなかったのでよしとする)下着も一応、新しいものを用意した。洗面用具は旅行用のリンスインシャンプー&ボディソープに歯磨きセット、こちらはAmazonで購入。さらに、忘れてはいけない例のVゾーンの剃毛用カミソリは、電動か手動か悩みに悩んで手動を購入。その他、消毒のアルコールや粘着テープで受ける肌のダメージを減らすためのボディクリームなど、必要になりそうなものは片っ端からAmazonのカートに入れて注文した。

 そうやってAmazonのサイトを見ているうちに、日用品も購入できることを発見! トイレットペーパーや洗剤など、かさばったり重いものは家族に頼むのも大変なので、思い切ってAmazonで頼んでみる。ネットだからお店よりも割高なのかなと思いきや、2個セットとか3個セットとか、数量が多くなっていたり洗剤も大容量タイプになっていたりするだけで、意外にコスパは悪くない。これは新発見!と、食料品以外のほとんどの日用品をネット購入に切り換えてしまった。コロナ禍の今、家を一歩も出ないで暮らしている人もいるんだろうなぁと想像する。連日のように注文の品を届けてくれる配達員さんに感謝! きっと私もコロナ感染した人と思われていたに違いない。

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