第101話 スーダン危機

 その頃 スーダンではスーダン軍と軍の傘下にあった迅速支援部隊RSFが戦闘を始めた。

 スーダン危機である。


 日本国戦時政府は大使館や民間の邦人を退去させるために軍の輸送機を派遣したが、国際空港付近が激戦地となったことで近づけなくなっていた。

 同様にドイツ軍も自国民収容のため軍隊を派遣したがこちらは収容を断念した。

 そのくらいの激戦地となっていたのである。

 日本国戦時政府は判断を迷っていた。

 現実的には収容は困難を極め、二次被害を出しかねない状況である、しかし、邦人を見捨てたということになれば戦時内閣の支持率にダメージを与えかねない。

 第三次世界大戦が現実のものとなりつつあるいま、国民の支持を失うことは、それは日本国の瓦解をも意味していた。

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