第69話 シャーデンフロイデ

 あなたはシャーデンフロイデという言葉をご存知だろうか?


 少し難解な用語が続いて恐縮だが、このゼロ・ポイントフィールドに愛されたフロイラインはそういった奥底に触れることを主眼に置く物語なのでそういうものだとご理解いただきたい。


 これはドイツ語なのだが、日本語に訳すと「メシウマ 」がピッタリ来る感情たとするネット論者が多いようだ。


 他人の不幸を喜ぶ、他人の不幸を見て幸福感を感じる、と言ったものである。


 語源はその昔、闘技場などで罪人同士が殺し合う様を見て楽しむと言ったところから来ている。


 もちろん、前話の妬み嫉み僻みと同様に人間とは切っても切れない感情である。


 人間とは常に自分は誰よりも幸せであると感じたいという欲求を持つ生き物である。


 そんな時に仕事で失敗したり、自分の思うようにならないことが増えて劣等感や妬みの感情が受け止めきれなくなった時に自分の精神の均衡を保つために起きる感情だと考えられています。


 最近の話題では元参議院議員のガーシー氏の暴露記事に人気が集まるのもこのシャーデンフロイデを利用するからです。


 対象のタレントや経営者そのものには別に恨みもないのですが、一般的な社会の成功者と言われる人が思わぬ不幸に巻き込まれることにささやかな幸福感を感じてしまう。

 これは人間の性質上ある程度自然な感情と言えるのです。

 疲れて余裕がなくなったり、同僚等と比較して劣っていると感じてしまったときなどは特に顕著でしょう。

 逆に言えば自分に自信があり余裕がある時にはそう言った感情は起きにくいと言えます。


 今回薫子に少なからず妬みや劣等感を感じた女児たちは「薫子がケガでもすればいいのに」と思ったり、エスカレートすると実際に足を引っ掛けて転ばせたり、陥れたりすることを考えるようになってきます。

 保育士もそんなことにならないように気を配らなければなりまさん。


 また、子供に限らず大人の世界でも世間一般によく起こるトラブルでもあります。

 この思わぬピンチを薫子は乗り越えることができるのか?

 シャーデンフロイデをぶっ飛ばせ!

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