第67話 虫かぶり姫改

 薫子は本が大好きで科学雑誌から過去の物語まで貪欲に読み耽った。

 文字通りの虫かぶり姫なのだが、それも他の一般的な虫かぶり姫とも違っていた。


 阿頼耶識ゼロ・ポイントフィールドから流れ込む知識の洪水はまさに波動エネルギーの塊であり、「動」そのものなのである。

 薫子はまるで精霊のような「そのモノ」波動エネルギーと遊ぶのも大好きで、それはすなわちそれらと一緒に自分の身体を動かすことと同義であった。

 一人で、または友人たちと走り回り暴れ回る。

 一般的な幼児が意味もなく走り回り暴れ回るのはその感性が阿頼耶識ゼロ・ポイントフィールドに近く、そのモノと一緒に「動」を楽しんでいるからなのだ。


 薫子はその感性も他人よりも深く阿頼耶識ゼロ・ポイントフィールドに触れている。

 第三者からは「頭の良い快活少女」と観測され、後日蒼くんから「粗暴な薫子」という不当な評価を受けることになるこれも「賢さ」の一端なのである。

 スポーツで活躍するような方は総じて頭が良いものだがそれも「賢さ」であるのは間違いないだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る