第63話 王家のファイル 天才技術者の系譜

 薫子自身には知らされていないが、読者の皆さんがご存知の通り、薫子はコーネリアヘルモーズ大公国の王家の血筋である。


 多くの物語では王家の血を引く者、つまり王家の末裔まつえいは平民とは何かが違う、そんなふうに描かれている。


 それもゼロ・ポイントフィールド仮説の引き寄せの性質で説明ができるのである。


 それはあたかも阿頼耶識ゼロ・ポイントフィールドに存在した王家のファイルといったものが近しいもの、王家の血筋にあるものが引き寄せやすい波動情報はどうじょうほうとして引き継がれるからである。


 つまり、遺伝子により伝えられるのではなく、王家のファイルをシェアすることで王族としての立ち振る舞いや精神が受け継がれていくのである。


 そこにはその王族が持つ特殊スキルも含まれる。

 仮に魔法文明を持つ人類がいたとすれば王族に魔力が多く配分される。または独占されることになるであろう。

 

 そしてコーネリアヘルモーズ大公国の王族には先端科学技術に関するスキルが伝承されている。


 一般世界の産業革命の後、人類は移動手段としてそれまで主に使われていた「馬」を機械化、ロボット化しようとまず考えた。

 様々なカラクリを発明し、自動で動く自動馬の開発に挑み、そして失敗した。

 その後人類は発想の転換を行い、馬の機械化にこだわるのをやめ、四輪の馬車の車体部分を自動で走らせようと考えた。

 自動車の誕生である。[実話]


 世界最初の自動車は1769年のフランスで、ニコラ=ジョセフ・キュニョーが外燃機関がいねんきかんである蒸気機関を利用して馬の代わりに砲台を運ぶための軍用トラックとして発明した。[実話]


 そして外燃機関である蒸気機関の技術が花盛りとなった数年後、1777年、最新技術であるEV、電気自動車が発明されることになる。

 1823年には高性能の電気モーターが開発され、本格的なEV電気自動車時代が到来したのである。[実話]


 その約50年後の1873年にはEVトラックがイギリスの一般道路で使用されるまでに普及していきます。

 EVが進化を続ける1899年のフランスでは、ジャメ・コンタント号と名付けられたEV電気自動車が時速105.9kmを記録し、世界で初めて時速100km超えの偉業を成し遂げています。

 まさに19世紀はEVの全盛期と言えるのでしょう。[実話]


 その頃遅れて発明されたのが内燃機関ないねんきかんである。

 

 1876年、ドイツの発明家ニコラウス・オットーは、燃料を燃焼させるという基礎技術を形にした「内燃機関」を完成させ、「4ストロークエンジン」を初めて世の中に登場させました。

 「オットーサイクル」の爆誕です。

 

 このオットーサイクルの概念を基にガソリン自動車の開発が行われることになります。


そして1885年、オットーサイクルの研究に携わったゴットリープ・ダイムラーとヴィルヘルム・マイバッハにより設立された会社で自動車の開発を続け、とうとう四輪自動車の発明を成し遂げたのです。


 同時期にドイツの技術者カール・ベンツもガソリンエンジンの自動車の開発を成功させ、特許の関係で世界初のガソリン自動車発明者はカール・ベンツとされていますが結果的に1926年ダイムラーとベンツの会社が合併してメルセデス・ベンツとなりました。

 こうしてパワーと実用性に富んだガソリン車がEVを駆逐し道路の覇者となったのです。

 近年EVに逆戻りしている流れは何かの因縁を感じますね。[実話]

 次回異世界。

 


 

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