第7章 救いの天使さん
第31話 緊急警報
昨日はオーガを倒したところで配信終了し、21層の転移陣で帰った。
よって今日は22層からスタートだ。
ボスはスカルリザードで、前来た時は主にこいつのせいで死にかけた。
「バウンド!」
「KARO!?」
だが、今の私にとっては格下の相手。
同じスピードタイプだったが私の方が遥かに速く、『一閃』すら使わずボコボコにできた。
美愛さんのレベルは22まで上がった。
ーーーーーーーーーーーーー
名 前:美愛
レベル:22(+1)
体 力:25
攻撃力:35
防御力:20
素早さ:25
魔 力:64/68
運 :10
S P :6(+6)
スキル:火弾、連射、魔力回復、チアー
ーーーーーーーーーーーーー
「ぐぬぬ…あと1ポイントあれば攻撃力40、魔力70に出来るのに!」
〈妖怪1足りない〉
〈あるあるw〉
〈攻撃力40の魔力69でええんでない?〉
〈むしろ魔力に振る必要無くね?もう十分じゃね?〉
「嫌、絶対魔力カンストさせるから!」
結局コメントの案を採用して攻撃力40と魔力69になった。
そのまま23層へと向かう。
洞窟ステージは狭いせいか魔物との遭遇も少なく、いつにも増してサクサク進行だった。
〈23層の主はアイアンゴーレム。ゴーレムの上位種で討伐推奨レベルは26〉
「有能コメセンキュー」
「やっとサンさんの適正レベルまで来たね」
「そうですね…こっからは私のレベルも上がってほしいもんです」
以前戦った15層のゴーレムも硬い魔物だったが『一閃』1発で倒せた。
しかし上位種であるアイアンゴーレムは更に硬い魔物だった。
「一閃!」
「GOOOOOOOOOOOO!!!」
「うわ!倒し切れない!?」
深めの斬り傷は入ったが、一撃では倒せなかった。
アイアンゴーレムの反撃のパンチを咄嗟に『バウンド』を使って避けた。
アイアンゴーレムの硬度には驚かされたが、動きは遅かったので見てから回避余裕だった。
「バウンド!一閃!」
2発目の『一閃』を1発目の傷に合わせて、今度こそアイアンゴーレムは真っ二つになった。
「サンさん、大丈夫?怪我してない?」
「大丈夫です。でも流石に一閃1発で落ちない魔物出てきましたね…」
ここまで『一閃』や『チアー』によるバフで誤魔化しながらやってきたが、やはり根本的な攻撃力が足りていなさそうだ。
サクサク探索もこれまでか…と思ったらレベルが上がっていた。
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名 前:サン
レベル:27(+1)
体 力:22
攻撃力:30
防御力:10
素早さ:120【MAX】
魔 力:1/7
運 :24
S P :9(+9)
スキル:バウンド、透視、衝撃緩和、隠密、一閃
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ーーーーーーーーーーーーー
名 前:美愛
レベル:23(+1)
体 力:25
攻撃力:40
防御力:20
素早さ:25
魔 力:63/69
運 :10
S P :6(+6)
スキル:火弾、連射、魔力回復、チアー
ーーーーーーーーーーーーー
「とりあえず一閃の回数増やすために魔力に3ポイント振って…体力も欲しいけど、やっぱり攻撃力かなあ」
「あたしは体力30の魔力70で良いよね?見栄え的に!」
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名 前:サン
レベル:27
体 力:23(+1)
攻撃力:35(+5)
防御力:10
素早さ:120【MAX】
魔 力:4/10(+3)
運 :24
S P :0
スキル:バウンド、透視、衝撃緩和、隠密、一閃
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
名 前:美愛
レベル:23
体 力:30(+5)
攻撃力:40
防御力:20
素早さ:25
魔 力:64/70(+1)
運 :10
S P :0
スキル:火弾、連射、魔力回復、チアー
ーーーーーーーーーーーーー
ここまで雑魚魔物全無視でやってきたが、ぼちぼち適正レベルの階層になってきたので一度打ち合わせを入れる。
本当は安全地帯の階段等でやるべきだが、この辺の階層は魔物の数が少ないらしいので歩きながら話した。
〈ミアちゃんのレベル上げも兼ねて雑魚狩りいっとく?〉
〈雑魚狩りするにしても24層行った方が効率いいよ〉
「どうする?次の階行く?それともここでレベル上げ?」
「うーん、24層行きましょうか。配信的にもなるべく先に進んだ方が良いと思うし」
「たしかに!」
「あと、24層の主はジャイアントスラッグ…巨大なナメクジです。多分柔らかい魔物だと思うので、遭遇しても一閃1発で倒せるんじゃないかと」
「うえ…あたしナメクジとか無理」
「私もそんなに得意じゃないです…」
というわけで24層。
相変わらずの洞窟ステージだ。
(改めて61層の鍾乳洞と比べると格段に狭いな)
こっちも一応オーガが棍棒を振り回せるくらいの広さはあるが、滝や地下都市が丸々入っていた深層と比べるとどうしても窮屈さを感じる。
そんな狭い洞窟にパンパンに詰まっている魔物がいた。
階層主のジャイアントスラッグだ。
「完全に通せんぼしてるね」
「倒さないと通れないってことですね…」
「いける?」
「やってみましょう。サポート頼みます」
「分かった!」
ジャイアントスラッグは外見とは裏腹に結構な速さで動くらしい。
口からは酸を吐くし、近付かれて体当たりを食らうと大ダメージ。
…まあ、私は攻撃受ければ何でも死ぬので関係ないっちゃ関係ないか。
「いくよ!チアー!火弾!火弾!火弾!」
挨拶がわりの火弾3連発。
天井までギチギチに詰まっているジャイアントスラッグに避けることはできない。
「SIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII!!!」
奇声が上がる。
ダメージが入ったかは分からないが、とにかく怒らせることには成功したようだ。
怒りのジャイアントスラッグはこちらへ向かって突撃してきた。
「はっや!?」
ジャイアントスラッグは速かった。
事前情報の通りではあったが、予想していたよりも断然速い。
這うようにして進んでくるのに原付並みに速い。
「美愛さん退がって!」
計画が狂った。
『バウンド』でこちらから近付くつもりが先んじられてしまった。
ジャイアントスラッグがフロアにパンパンに詰まっているため上下左右どこにも逃げ道は無い。
『一閃』1発で倒せなければまずいことになるかもしれない。
「一閃!!」
私の攻撃はジャイアントスラッグの頭を完全に斬り飛ばした。
手応えはあった。
確かに急所を両断した。
しかし、ジャイアントスラッグの突進は止まらなかった。
「まずっ…」
結局、ジャイアントスラッグが動きを止めて消滅するまでに10m以上も進んだ。
「あ、危なかった…」
「死んだのにあんなに動くのあり…?」
私は咄嗟に美愛さんを掴んで後退していた。
『バウンド』で近付くつもりでジャンプしていたのが幸いし、そのまま後方への『バウンド』で回避が間に合った。
結構ヤバかったが結果的には無傷のワンパンKO。
美愛さんのレベルも24に上がった。
「どうする?25層行く?」
25層はボス部屋だ。
他の階層のように広い空間はなく、代わりにボス用の一室があって、入ったが最後ボスと戦うしかなくなる。
25層のボスは『ワイバーン』。
推奨討伐レベルは30だ。
「やめときましょう。流石にレベルが足りません」
魔力も残り1で、もう『一閃』は使えない。
レベルも上がらなかったし、引き上げつつ雑魚狩りをして今日の配信は終了だろう。
「「ビービー!!ビービー!!」」
「うわっ!?」
「何!?」
〈何だ!?〉
〈うっさ〉
「スマホから鳴ってる!」
「これは…緊急ダンジョン警報!?」
『緊急ダンジョン警報』はダンジョン内で異常が発生した場合に鳴る警報音だ。
スマホを開くと、
【品川ダンジョンで魔物暴走発生。ダンジョン内にいる方は速やかに退避してください】
という文字が踊っていた。
「
『スタンピード』は読んで字の如く魔物の異常暴走行動のことだ。
主に深い層の魔物が浅い層に登ってくる。
適正レベル外の魔物とエンカウントする可能性があるため、ダンジョン全体が極めて危険な状態になる現象だ。
〈今度はスタンピードかよ〉
〈まーた君かあ〉
〈深層転移から1週間でスタンピード起こしたってマジ?〉
「いやスタンピードは私のせいじゃないでしょ!?」
転移罠は偶然とはいえ自分から踏んでしまったけれど、スタンピードはマジで何も関与してないぞ。
勝手に起こったことまで私のせいにされるのは心外だ。
「それより早く上に…」
「GYAOOOOOOOOOOO!!!」
そしてここは24層。
スタンピードによって真っ先に上がってくる魔物といえば、
〈ワイバーンだ!〉
翼が生えた空飛ぶオオトカゲであるワイバーンは亜竜と呼ばれることもある。
飛ぶ魔物は全般的に厄介だが、竜の近縁種であるワイバーンも当然めちゃくちゃ強い。
「美愛さん、ごめん!」
「きゃあっ!」
「透視!バウンド!」
今の私達が勝てる相手ではない。
私は美愛さんを抱えて全力で逃げた。
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