10
愛華さんと一緒にお風呂に入ることとなった私。
脱衣所でお互いに反対を向き、服を脱ぎ始める。
だけど、恥ずかしさから手間取ってしまい。
やっと脱ぎ終わると、タオルを巻いて。
「ご、ごめんね…。も、もう大丈夫だよ…。」
そう伝えると。
「あたしも今脱ぎ終わったからいいよー!」
と言う愛華さん。
私が手間取っている間にすでに脱ぎ終わっていた様子だったのだけど、気を遣ってくれて。
愛華さんのバスタオル姿を見れず顔を逸らしていると、私の腕を優しく掴み連れていってくれる。
それから、お風呂場にて。
「ねーねー!むつきー!洗いっこしよー!」
そう提案する愛華さん。
恥ずかしくて断りそうになるけど、愛華さんが悲しむのは嫌で。
お互いに洗い合うことにした。
さすがに恥ずかしくて前の方は自分達で洗うことになると。
まずは私が愛華さんの背中を洗う。
愛華さんの裸を直視することができず、顔を逸らしながら洗い始め。
初めての経験で上手くできるか不安だったけど、愛華さんは気持ちよさそうにしてくれていて。
なんとか終わると、今度は愛華さんが私を洗ってくれることに。
「むつきー。痛かったら言ってね?」
「う、ううん…。だ、大丈夫だよ…。」
裸を見られているのが恥ずかしくて、俯いてしまいながらそう返事をする。
愛華さんの力加減はちょうど良くて。
こちらもなんとか終わるはずだったのだけど。
ここから私にとって大変なことになってしまう。
それは愛華さんが言ったことがきっかけで。
「むつきってすごい細いよねー。羨ましいなぁ。」
「そ、そうかな…。で、でも愛華さんだって…。」
「そんなことないよー!お腹周りがぷにぷにしてて!ちょっと触ってみて!」
そう言うと私の手を掴んで、お腹に触れさせる。
愛華さんのお腹は決して太いわけではないのだけど。
触れるとなんだか気持ちよくて。
くせになるというか。
気づくと何度も触ってしまっていた私。
すると、愛華さんは。
「むーつーきー?あたしのぷにぷには何度も触っちゃうくらいぷにぷにしてたのかなー?」
と、笑顔ではいるけど笑顔ではない様な雰囲気で。
「あ、え、えっと…。あ、あの…。」
そんな愛華さんに言い訳が出来ないでいると。
「むつきのお腹も触ってやるんだからー!」
と、襲われそうになる私。
慌てて逃げようとするのだけど。
壁に追いやられた私は逃げきれず。
「あ、あの…。あ、愛華さん…?い、いろいろ見えちゃって…。」
「むー!そんなの知らなーい!むつきのお腹触らせなさーい!」
愛華さんはそう言うと、私のお腹を優しく何度も触れ。
なんだか嬉しそうな愛華さんに、くすぐられてしまうのであった。
その後、満足そうな顔をする愛華さんは冷静になってくれたので、浴槽に背中合わせで浸かる。
自業自得とはいえ、大変な目にあった私。
こんな経験は初めてで。
楽しかったなぁ…。って思っていると。
「むつきー…。ごめんねー。」
と、落ち込んだ様子の愛華さん。
「う、ううん…。た、楽しかったから気にしないで…!」
さっきのことをまだ気にしているのかなと思い、そう伝えたのだけど。
「それもなんだけど。お風呂強引に誘っちゃってごめんね…。」
どうやら愛華さんはお風呂のことを気にしていたようで。
「は、恥ずかしかっただけで…。い、嫌じゃなかったから…。」
「えへへ。むつきありがと。」
愛華さんがそう言うと、お互い無言になり。
しばらくすると、愛華さんが話し出す。
「昔お姉ちゃんが教えてくれたことがあってね。」
「お、教えてくれたこと…?」
「うん。いつか愛華がもっと仲良くなりたい友達が出来たら二人でお風呂に入るといいよって。お互いに洗いっこしたりして。二人で楽しくお風呂に入れたらもっと仲良くなれるからって。それで、むつきともっと仲良くなりたくてお風呂に誘ったんだ。」
愛華さんのお姉さんが言っていた言葉。
その言葉を私もどこかで見た様な気がして。
どこで見たのか考えると思い出す。
「あ、そ、それ今瀬もも先生の漫画の作者コメントにも書いてあった…!」
「へ!?そ、そうなんだ!じゃ、じゃあお姉ちゃんそれを見て言ったのかな!も、もー!お姉ちゃん自分が考えたみたいに言うんだから!」
と、なんだか焦った様子の愛華さん。
あれ?でもそのコメントが書いてあったのは最新刊なんだけど…。と考えたけど。
今はそれよりも伝えたいことがあって。
合わせていた背中を離し、愛華さんの方へと身体向ける。
すると、愛華さんもこちらに身体を向けてくれて。
「あ、愛華さん…。き、昨日は断っちゃってごめんね…。」
「むつきは悪くないよ。あたしが悪いの。」
そう言うと愛華さんはまた落ち込んでしまい。
そんな表情をさせたいわけじゃなくて。
「う、ううん…。あ、愛華さんの気持ちすごく嬉しかった…。そ、それでね…。私も愛華さんともっと仲良くなりたいから…。ま、またお風呂に誘ってもらってもいいかな…。」
「い、いいの?」
「う、うん…!そ、それと私からも誘いたいんだけど…。あ、お、お風呂だけじゃなくて他のことでもね…!」
「うん!どんどん誘って!むつきのお誘いならどんなことでも喜んで受けちゃうよー!えへへ!」
「あ、ありがと…!あ、愛華さんも他のことでもどんどん誘ってね…!照れちゃう時もあるけど、嫌じゃないから…!」
「もっちろーん!いっぱい誘っちゃう!あ、そうだ!」
と言うと、愛華さんは立ち上がり。
「むつきのお気に入りのぷにぷに、もっと触っていいよー!」
と、自分のお腹をぷにぷにしている愛華さん。
さっそくのお誘いを受けるのだけど、照れてしまう私。
そんな私に。
「夏にはぷにぷになくなっちゃうかもよ〜?今触らないと後悔しちゃうよ〜?」
と、私を誘惑する愛華さんに負け、ぷにぷにを堪能すると。
「えへへ〜!むつきはあたしのぷにぷにがほんとお気に入りなんだね〜!」
と、ニヤニヤする愛華さん。
「あ、愛華さんだって私のお腹嬉しそうに触ってたよ…!あ、愛華さんも私のお腹お気に入りになってるんじゃない…?」
なんだか悔しくて、そう言い返すと。
「そうだよー!バレたなら仕方ない!また触らせなさーい!」
と、お腹をくすぐられてしまうのであった。
そんなやりとりをしていると、そろそろのぼせてしまいそうなので。
愛華さんの腕を優しく掴むと、お風呂を上がることにした。
それから、お互いに向かい合い。
愛華さんに買ってもらった新品の下着を着けると。
「わー!むつきすごい似合ってるー!すっごくかわいいよー!」
と、褒めてくれる愛華さんに照れてしまいながらも、ちゃんと下着姿の愛華さんを見て。
「あ、愛華さんだって…。に、似合ってるし…。か、かわいいよ…。」
そう伝えると。
「え、えへへ〜。ありがと〜。むつきに褒めてもらえるのすごい嬉しい〜。」
と、喜んでいる愛華さん。
まだまだ恥ずかしさはあるものの。
今までだったら私には出来なかったことが、出来るようになり。
また少し仲良くなれた気がして、嬉しくなると。
少しだけお風呂効果を実感するのであった。
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