第9話 予想外
転生してから半年が経過した。
B級冒険者の依頼も軽々こなせるようになり、
ヘルムはlevel50、俺はlevel60に到達していた
多い経験値を貰いたいので最近は別々で依頼を受けることを繰り返している。
「で、この子は誰なの…」
「ずっとバレないように隠してたのですが、半月ほど前に霧の森で拾ったんです。お願いします!両親を殺されて行く宛が無いらしくて、よろしければ一緒に行動させてもらいませんか!」
角が生えている、?それに尻尾も…
「
ビクッ!
小さな肩を上げて震えながら答える。
「ハ、ハイ…」
ヘルムと同じくらいの背丈だが、歳はヘルムより若いのだろうか。
「俺は別にいいんだが、冒険者の活動の最中はその子をどうしていたんだ?」
「龍人は人々から迫害されてるので、誰にも預けられる気持ちにならず、依頼についてもらってました。」
「これからの依頼はもっと強い敵と戦うこともある。その子を守れるのか?」
「その点については大丈夫です。この子は火属性魔法、闇属性魔法、それに回復魔法も使えるし、防御力は私と同等。自衛能力はあると考えています。」
この子を見離さないように魔物とか討伐していたから最近は少し依頼を達成する時間が遅くなっていたのか…
「わかった。俺が断る理由もないし、ちゃんとその子を守れるっていうのならいいよ。」
「ありがとうございます!!」
「ア、アリガトウゴザイマス」
最初こそ
龍人は頭脳もエルフ並み、身体能力も魔人に次ぐほど高く、人間からは魔物の類いとして迫害されていた。
まだ年端もいかない子供がこんなに怯えているんだ、かなり辛い過去を経験したのだろう。
「え!?今日行かなきゃならないのか?俺今から恋人とデートなんだけど…そんな重要じゃないだろどうせ」
「国からの召集だから仕方ない、どうせすぐ終わるだろ」
「私最近B級上がったばっかなんだけど平気かな」
ん?どうしたんだ?冒険者ギルドから続々と冒険者が出てきて、、窓口の女性も出てきた?
「街中にいるB級冒険者以上の方!!即刻帝国の門前に移動してください!魔王軍の軍勢が攻めてきました!国民の皆様は落ち着いて、家の中に避難してなるべくあかりは消してください!」
なっ!?襲撃イベントだと!おかしい、こんな早く何処かの国に攻めることはなかった。
こればかりは見落とすはずもない。こんな大きなイベントなら絶対参加している。
とにかくヘルムとユドルを連れて、門の前に行かないと!!
–エントゥルーフ帝国、門の前–
「はぁ…はぁ、、」
ここからでも見えるくらいのかなりの軍勢だな。対してこっちは、100人程度の冒険者と騎士団。現状だと勝率はかなり低いだろう…
「お、おい!!魔王軍が、動き始めたぞ!」
霧の森からさっきより多い数の魔物が?!
「皆!まずS級である私達3人の後ろについてきて、上手く3分割して真ん中、右、左から挟みながら追い込もう!!」
「18歳でS級に昇格した〝神童〟フローズ=バラット=クリスだ!!」
「それに〝重戦車〟ベッドロック=グランドに〝漆黒の堕天使〟ジャイド=ロバーネも!!」
なんか3人目厨二病末期みたいな2つ名だな…
S級冒険者は、災害指数20の魔物を軽々倒せる者やlevel 100の者もいる。A級で長期的に、功績を残し続けるか、重大な事件などを解決したときに昇格できるのがS級だ。大抵はそこに辿り着けなくて引退する。
「だいたい別れたね!もう敵との距離は500mを切っている。1分後に私たちも進軍するから!」
「「「「「おぉー!!!」」」」」
1分後進軍を開始し、両軍は衝突する結果になった。魔王軍の意図は分からないまま、、、
「レオン様!!」
「あぁ、半分ほど横に別れた…あっちの方向はガルタナ王国だ!」
同時に2国を攻めるのか?もしかしたら占領する気はなくて、国力を低下させるだけ…?
それだけの為にこんなことをするのか?
「おい!お前ら!ガルタナ王国からも要請があった!同盟を結んでいるから仕方ない、最初俺のとこに集まった奴らついて来い!今からゲート魔法を使ってガルタナ王国に行くぞ!!」
帝国は、ガルタナ王国が敵国に攻められた場合は援護を行うという内容を結んでいる。
その代わりガルタナ王国は帝国の傘下に入っている。
俺とヘルムは重戦車のベッドロックの所に最初は集まったな…まぁガルタナ王国の方が軍事力ないし、心配だったから行ってみるか。
※ゲート魔法…人や物を遠く離れた場所へ送る魔法。小規模なものでもVI等級魔法、大規模な魔法だとVII等級魔法にもなる。
「行くぞお前らぁぁぁぁ!!!」
「「「「「お、おぉー」」」」」
重戦車が指揮を取り始めた途端元気失うのリアルだな……
–ガルタナ王国、門の前–
「援軍感謝する!魔王軍もゲートを潜りこちらと交戦中だ、すぐに加わってくれ」
「おうよ!!」
ゲートを潜った先にはフレイアがいた。
まだ少しではあるが魔物も来ているようだ。
「そこの君!」
「ん?どうしたんだ?」
「ちょっと用件がある、こっちに来なさい!」
「おい雌犬、レオン様に触れるな」
「なんだ貴様は、私はコイツに用がある。席を外してくれないか。」
この2人混ぜたら危険だったぁぁぁ
騎士団長さん?!こうしてる間にも魔物攻めてきますよ!
「またお会いできて嬉しい限りです、教祖様。教祖様がいらっしゃれば魔王軍の撃退など赤子の腕を捻るほど容易。この一件を解決したら無血革命連合の名が
何を言っているんだコイツはっ……
誘発なんてするわけないし、ただ帝国で冒険者活動してただけなんだが!?
「では、僭越ながら教祖様のお力添えをさせていただきます!」
「感謝する。直ちに魔王軍を殲滅してみせよう。」
もう、なるようになれ…
–霧の森、内部–
「フッ、今頃、両国は絶望している所だろうか。」
魔王軍の幹部であり、〝智将〟『レイブン=アフタージ』は世にも珍しい3つの頭を持つ犬の背中に乗りながら、濃霧の中に佇んでいた。
「ここまでたどり着いたものがラザノフを倒したものだろう。さぁ、“無限の兵”にどこまで抗えるかな、劣等種族ども!!!!」
––––––––––––––––––––
一難去ってまた一難というとこでしょうか…
この戦いが終わりましたら第1章はこれにて閉幕です!第2章の話について煮詰めたい所もあるので3日ほど投稿をストップさせていただきます!その間今後の考察コメントや振り返り、お気に入り登録などもしていただけると助かります!
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