第3話 獣人の女、ヘルム
ヘルムが仲間(?)になって数日
意外にもヘルムは、掃除や薬草を見つけるのが得意でかなり働いてくれている。
ただ1つ問題点を挙げるとするならば…
「レオン様、惑星支配の計画とやらをそろそろ私にも教えていただけないでしょうか」
少女とも思えない話し方だ…まぁ2個しか歳は違わないようだけど、それに元はと言えば俺が頭のおかしなことを言い始めたからこうなったのだが、、、
「うむ、まずは冒険者として名をあげて冒険者ギルドを裏から支配する存在となる。そしていずれは国にとって重鎮となり、意図的に国家間での関係に亀裂を生ませるのだ」
「なんとそこまで考えて…!必ず私もお役に立てるよう精進していきます!!」
「あ、ああ。期待しているぞ」
神様、この女の未来が心配なのですが、、
そんなこんなで意味のわからない会話を数ヶ月続け、季節は冬に差し掛かっていた。
「今日はダンジョンにでも潜るか」
「はい!ですがその依頼…かなりの魔物を討伐しなければならないのでは?」
スケルトン50体確かに数ヶ月前の俺からしたら不可能な必要討伐数だ。だがDランクに昇格した今、レベルも35になり剣も防具も揃った。小一時間すれば達成するだろう
「多少困難な仕事をしなければ世界征服など夢のまた夢なのだ」
「なるほど!出しゃばったことを、申し訳ありませんでした!」
「良い、ではヘルムも防具と籠手をつけて行くぞ」
ヘルムにも武器を買おうと思ったところ、獣人は籠手という腕にはめる武器をよく使うらしく店の中に唯一あるものを買ってきた。
最初は戦わせたくはなかったのだが、本人の希望で強くなりたいからと言っていたので
弱い敵を頼むことにした。
–ダンジョン『スケルトンの巣窟』–
このダンジョンはあまり冒険者には好かれてない。
理由は、スケルトンは倒しても数時間経つと復活する厄介な魔物だからだ。
心臓部にあるコアと呼ばれる石を取らなければいけないが、群れで行動するため困難な所業である。
しかし討伐に時間がかかるということはかなりの報酬を貰えるということ。貧困生活を送る俺たちにとってこんな良い条件はないということだ。
「レオン様!魔物の匂いです!」
獣人は鼻が効く。近くのものから最大半径5km以内の匂いまで嗅ぎ分けられる。
索敵魔法よりもよっぽど使える
ガシャン、ガシャン
「『超・攻撃力上昇』」
スキル、超・攻撃力上昇は攻撃力を10%向上させる。これを駆使しながらスケルトンを倒していく。
「ふぅ、これでやっと5体。ヘルムそっちはどうだ?」
おそらく2体は倒せてるはず、、!?
「10体ほど倒しました!!骨って持ち帰ってもよろしいでしょうか!」
「あ、あぁ。ほどほどにな…」
獣人の成長速度は早く、一般の
それにヘルムの奴、、戦闘中は狩りの目をしていてかなり怖い。ただ殴ってるだけなのに辺りに骨が散乱しているぞ…
ドーーーーン!
「爆発音…?」
ドーーーーーン!
「かなり近い!ヘルム!“何か”来るぞ!」
[gdaWgm5wpd6ctr]
ゴーレム!?まさかダンジョンボスがここまできたのか!?
※ダンジョンボス…ダンジョンの奥で魔物を生成するダンジョンコアを守る魔物のこと。
ゴーレムは魔力を感知して人を襲うはず、、ここまで来るなら相当の魔力や所持していないとおかしい…
俺は大して魔力にステ振りしてないし、まさかヘルムは魔力の素質も!?
「ヘルム!お前魔法使ったことあるのか!?」
「全くありません!!獣人で魔力を持つ者は少ないですし、両親も魔法の素質はありませんでした!」
じゃあ一体全体何が起きたっていうんだ…?
「とりあえずダンジョンを出るぞ!スケルトン討伐は中断だ!」
「はい!」
ドーーーーーーーーーン!
壁壊しながら進んできてる!ダンジョンを崩壊させるつもりなのか!?
「あの角を曲がれば入り口が見えるはず!」
ヒューン!
「はっ!?」ドカーーン!!
「レオン様!?誰!誰が“魔法”を!」
「ご、ごめんなさい!てっきりゴーレムかと……」
爆発魔法…しかもかなり上の等級だ…
魔法はI等級からXI(11)等級+飛んでL(50)等級、さらに飛んでC(100)等級、D(500)等級、M(1000)等級と最高位魔法である
爆発魔法はV等級魔法に属する。一般人だと皮膚が
「あっぶねぇ…最近防御にもステ振りし始めててよかった…火傷はしたけどセーフだろう」
「今回復魔法をかけるから!『聖なる回復』」
IV等級の回復魔法まで!Aランク冒険者に匹敵する魔力と魔法の持ち主なのか…?
「ってそれよりゴーレムは!」
[inEw0ujb2dgtx*7+〆4|5<7|7]
もう追いついたのか…!?
まさか狙いはこのエルフ…!!
[mqwaodpdp41…〒=dmswumpo__!!]
ゴーレムの攻撃パターンであるVI等級魔法
『ライトキャノン』。岩を粉々にするほどの威力を持ち合わせているが、あまり大きな範囲で被害は出ないからある程度のスピードを持ってすれば避けれる。
「左によけろ!!」
床がライトキャノンによって損傷した。入り口はすぐそばだが、ダンジョンからゴーレムが出てきてしまう危険性を考慮していなかった…!
近くには始まりの街や小さな集落があるというのに
「あのゴーレムは私を標的にしています!私はゴーレムをかわしながら奥に行くのでその隙にダンジョンを出てください!」
そうしたいのは山々だが、それだとこのエルフはスケルトンとゴーレムを同時に相手しなければならなくなる…
「早く!!」
「偉大なるレオン様になんて口を聞いてるんだ!!レオン様、あんなゴーレムなど私の手にかかれば一瞬です!」
「お、おい!!ゴーレムは防御力が魔物の中でもトップクラスなんだ!ヘルム!」
かなりのスピードでゴーレムに突進していくヘルム。
流石に高い攻撃力とスピードを兼ね備えていたとしても勝率は0に等しい、、
ガキン!ジャキ!
金属音がダンジョン内に響く
[_/&_wppmgegdie@f@jpogmgngdpdgdgk]
かなり怒らせてるようだな…
[___!]
「まずい!ヘルム避けろ!“2発目”がくるぞ!!」
「…っ!」
くそっ、間に合え!
「ぐはっ、」
「レオン…様…?」
「ったく世話焼けすぎだろ…ヘル…ム」
さっきはもろに爆発魔法を喰らったわけじゃなかったから軽傷で済んだけどこれはちょっとまずいな…
「もう助からないわね、自ら突っ込むなんて」
がるるる
エルフに向かって威嚇をするヘルム、自分を守った主人に向かって馬鹿にするような態度をされて強い憤りを覚えていた。
「貴女もあなたよ、なんの考えもなしに突進するなんて…魔法を使いすぎたらゴーレムを撃退できないから回復魔法は後よ」
「レオン様、今助けます。その前にあのクソゴーレムをただの石にしてきます」
「ちょ、ちょっと聞いてたの!?考えなしに突進しても」
「五月蝿い」
「ひっ、、」
ヘルムの目は人のような目つきは残らず、目の前の獲物を狩ることしか考えてない凶悪な獣の目をしていた。
そして主人への攻撃に対しての怒りが身体能力を助長する結果となり、素早さも攻撃力も 1段階強化され、2度目の攻撃が開始された。
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