15話 蠢く影
「おいおいマジかよ……ヘラクレックスまでやられちまったぞ」
「しかも食われてるじゃねえか。一体なにがどうなったらそうなるんだよ……」
溶岩の流れる滝のそば、大きな火山岩の物陰で、とある男たちがひそひそと会話を繰り広げていた。彼らは最初からずっと、レヴィアンタたちの戦いを見ていたのだ。
「しかしあの三人、とんでもねぇ強さだな」
「ああ。ギラファレックス、ヨルガンムルトでさえ俺たちの手に負えねぇ化物だったんだぜ? それをアイツら、一人で一匹ずつ片付けやがった。チッ、これじゃどっちが化物か分かりゃしねぇ」
「ああ、全くだ。……しかし、俺たちの隠れ家が勘づかれるのも時間の問題とは思っていたが、まさかメリジュナにエノアヴァレスが乗り込んで来るなんて思わなかったよ」
「奇術師メリジュナに、暴腕のエノアヴァレス……どっちもS級じゃ名の知れた相手だな。俺たちだけじゃいくら命があっても足りねぇぞ。本当に大丈夫か?」
「まぁ慌てんな。忘れたか? 俺たちには最終兵器が残ってるだろ?」
「ああ……」
彼らはニヤリと頬を歪ませた。
「確かに、まだあの化物が残ってるな」
「そうだった。正直、俺からすればヘラクレックスなんかよりアイツの方がよっぽど厄介な相手だぜ」
「そういうことだ。さぁ、そうと決まれば起動準備だ。連戦連勝で調子づいてる連中に、一泡吹かせてやろうじゃねぇか」
そう言い残すと、彼らは溶岩洞の奥へと姿を消していったのだった……。
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