深夜の散歩はひんやりする
桜咲吹雪
四回目(3/8)
基本、早寝早起きがモットーの自分は、深夜のお散歩というオシャレ感立ち込める行為に縁がありません。
ただ、ときに深夜まで飲み歩いて本日最終のバスを逃してしまい、タクシーに乗るのもなんかなぁ…みたいな気分の場合に、深夜の街をとぼとぼとお散歩して帰ります、全然オサレじゃない…。
おまけに筆者の暮らす街の駅周辺は常に賑やかであり、深夜になってもライティングぎらぎら、うるせー奴らが朝まで騒いでいるというクソのように情緒もへったくれもない地域なので、深夜のお散歩の特別感?のようなものもなし。
ふう、まったく騒がしい俗世にはウンザリするぜ。
…なんてえらそうに、街の喧騒に疲れた深夜の酔っぱらいは、大通りを離れて近道をしたりするのです。
気持ちよく酔っぱらっている深夜、誰にも出会わなくて済む、静かで素敵なお気に入りの道をひとり行くのです。
うるさいライティング無し、夜空を見上げれば星がキラキラと輝き、広い石畳の道のサイドに並ぶ大きな木々たちが気持ちのいい夜風でさらさらと揺れている…。
さて、それはどこかといいますと…墓場です。
夜の墓場は静かで、ときどき風でカタカタと揺れる卒塔婆の音も涼しげでナイス。
夜の闇に沈むようにして、どこまでも広がる墓場の石塔を眺めていると穏やかな気持ちになります。
この石塔の下には、遥か昔に亡くなった人々がたくさん眠っているんだと想像すると、不思議な感覚がするんです。
一度も生きて出会うことがなかった人たちだけど、時間や時代が異なるだけで、我々は皆この土地に住み、同じ石畳の参道を歩きながら本堂の大きなお寺を眺め、祈ったり願ったり悲しんだりしたのかなぁ…と考えると親近感がわきますよね、そういうことを深夜に考えて歩くのは素敵なことです。
みなさんも、ぜひ深夜の墓場お散歩、いかがでしょうか?
(深夜の境内散歩は、行きつけの寺の開門中にしましょうね)
深夜の散歩はひんやりする 桜咲吹雪 @fubuki-sakurazaki
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