第30話
魔王を倒すための準備を進めている僕であったのだが……。
「え?最前線へと移動ですか?」
いきなり最前線へと出るようの司令が国より送られ、困惑の声を上げる。
最前線はクラスメートたちに任せ、僕は対魔王に注力するという話だったはずだ。
「……一切飾らずに言うのであればカズト様以外の異世界人が期待外れであったということです。彼ら、彼女らは確かに強力なスキルを持っており、活躍はしてくれているのですが……如何せん注文が多く……更にそもそもの活躍自体も少々物足りないものであり、このままでは最前線が再び崩壊する可能性があるのです」
「……なるほど」
僕は自室に伝令としてやってきてくれた男性の言葉に頷く。
「カズト様が対魔王用の切り札であるという事実自体は変わるものではございません。少しの間だけ最前線に出て戦ってほしいのです」
「……なるほど。了解しました。では、アレシア様の準備が終わり次第」
「あぁ。その必要ございません」
「え?」
「今回、アレシア様並びにララティーナ様は出向かれません。アレシア様はまともな軍団を持っておりませんからね。カズト様にはルルシア王女殿下の率いる王国部隊とともに行動してもらう予定です」
「え……?」
僕は伝令のその言葉に困惑と驚きが込められた声を呆然と上げるのであった。
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