第25話

 僕の中学生から交流が続く最も仲の良いネッ友がメイドさんで……僕にリリストを進めてきたのがメイドさんで……うぅん!?


「な、なんで異世界に……?」


「この世界には他世界へと干渉する魔法があるのですよ……代表的なのは異世界召喚ですね」


「なるほど……」


 確かに異世界召喚なんていう他の世界の人間を拉致出来るような魔法があるのだ。

 この魔法以外にも他の世界へと干渉する魔法があったとしてもそこまでおかしくないだろう。


「私は魔法を使って和人のいる世界へと干渉し、和人と接触。交流を深め、この世界をもとにしたゲーム、リリストを制作しました。ちなみにゲームに出てきたキャラの半分くらいは架空のキャラです。主人公の少女はいません……強いて言うのであれば和人が主人公です」


「僕は女の子じゃないのだが?」


 メイドさんの言葉に対して僕はそこじゃないだろ!と言うところに対してツッコミを入れる。


「いえ……そうではなく……」


「ちょっと待って」

 

 続きの言葉を話そうとしたメイドさんの言葉を止める。


「少し時間を」


「承知しました」

 

 僕の言葉にメイドさんが頷く。


「……なんとなく全部察したよ。僕の圧倒的な戦闘の才能に新しく獲得した勇者というスキル」

 

 僕は自分の身に宿る魔力とは別の力を操りながら呟く……あぁ、まさに主人公が如き力というわけだ。


「おぉ……」


「この異世界召喚は召喚時に周りから落ちこぼれ認定を受けた僕の召喚が真の目的だったってわけか。いや、すべてがメイドさんの手の平の上……アレシア様の心の寂しさを理解し、誰も受け入れてくれない落ちこぼれの僕を引き取るであろうアレシア様のメイドとなって僕の教育係に収まる。地球の段階でこの世界に対する理解を深めさせ、自分が鍛えることで僕を最強の勇者に育てあげる。なるほど。魔王を倒すの最適な策じゃないか……全部魔王を倒すためか」

 

「そのごめんなさ」


「初恋だったんだけどなぁ」

 

 僕はメイドさんの言葉を遮って自分の素直な思いを吐露する。

 

「え?」

 

 普通に考えて一緒にゲームしてくれる優しい大人のお姉さんに多感な時期の中学生が惚れるなというほうが無理な話だろう。

 もう絶対惚れる。誰であっても惚れるだろッ!あんなん!淡い恋心抱くに決まっているじゃん!?

 

 自分が恋をしていた相手の正体が僕をボコボコにしてくれたメイドさんで、こんな異世界に来ることになった原因で……。

 そして、メイドさんは魔王を倒すためってわけか。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああッ!!!」


 情緒がぶっ壊れるんだが!?

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