第24話
寝台の上に寝かされたアレシア様がいる一つの部屋の中で。
僕とメイドさんが隣り合って座っていた。
「……ここは一体どこ?」
メイドさんに案内されるがままにやってきた地下の一室。
そこへとやってきた僕はここがどこなのかをまず、メイドさんへと尋ねる。
「ここは私の秘密基地とでも言いましょうか。まず、ここの場所が誰かに悟られることはないので安心していいですよ」
「……はぁ」
僕はメイドさんに対する警戒心を持ちながら彼女の言葉に頷く。
「……まずは自己紹介から始めるべきでしょうか」
「うん。ぜひお願いしたいね」
「私はアレティア……今から約1000ほど前に勇者としてあの魔王と戦った者です」
「……1000年」
僕はメイドさんの口から出てくるあまりにも途方もない時間に驚愕する。
「和人には片翼の堕天使ルシファーと名乗ったと方が親しみやすいかもしれませんね」
「え?急にど……ん?」
僕はいきなりメイドさんの口から飛び出してきた中二全開の言葉に固まる。
「待って……それって……」
片翼の堕天使ルシファー。
数多の犠牲の上に立ち、数多の命を吸い、その罪深さゆえに人々の希望たる天使長から堕天し、死ぬことも成長することもない永遠を手にせし神話が存在が一人。
そんなことを自信満々で話し、どんなゲーム、どんなSNSアプリにおいてもその名が『片翼の堕天使ルシファー』であった女性に一人、僕は心当たりがあった。
「いやいや……待て待て。それは地球での話だ。ここでの話じゃ……」
「数多の犠牲の上に立ちッ!数多の命を吸い、その罪深さゆえに人々の希望たる天使長から堕天し、死ぬことも成長することもない永遠を手にせし神話が存在が一人ッ!あぁー!!!私こそがッ!片翼の堕天使ルシファーッ!」
メイドさんが中二前回のポーズを決め、大きな
「……ルシっち?」
地球において僕が最も仲の良かったネッ友であり……僕に『リリスト』をお勧めしてきた友人。
ルシっちの名を僕は震えながら口にする。
「はい。ルシっちです。オフ会ってやつですね。これ」
そんな僕の言葉にメイドさんは笑顔で頷いた。
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