第53話
鉄の扉を超えた先。
そこからも長い長い道のりが続いていた。
「……長い」
信じられないほどに長い道のりを進む僕は小さく言葉を吐き捨てる。
一体どれだけ僕は走らせれるんだ……体感1kmは走っている。色々と信じられないほどの長さだ。
「どこまでこの道のりが続くんだよ……」
いい加減僕も疲れてくる。
「……おっ」
それから更にしばらく走り、ようやく開けた場所に出る。
「……また鉄の扉か」
その開けた場所の先にはまたもや鉄の扉が設置されている。
この鉄の扉はさっきと違ってほんのわずかにも開かれておらず、硬く閉ざされている。
「この先にララティーナがいると良いんだけど……」
僕は固く閉ざされた鉄の扉を開き、中へと入る。
「……おっ」
鉄の扉を開けた先。
そこには更に広い部屋が広がっており、そこにはララティーナを確認することが出来る。
「……和人?」
完全にへたりこみ、地べたへと尻をつけるボロボロのララティーナは僕の方へを見て呆然と口を開く。
そんなララティーナの前には一人の異形の怪物が立っていた。
「ふむ……新手か」
異形の怪物。
黒光りする甲殻の体を持つその怪物が僕の方へと視線を向け、渋い声を上げた。
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