第48話
僕が新しい魔道具を手にし、魔物との戦いも多くこなして魔物との戦いに慣れてきた頃。
「……また魔物が出なくなってきたな」
一度、謎の大きな扉をくぐった後。
ひたすらに長い広い廊下が続くだけの道となってからは一切魔物と出会わなくなっていた。
ここの道に引かれている絨毯はさっきまで歩いていた入り組んだ狭い道に引かれていた古びた絨毯ではなく、新品のようにきれいな絨毯だった。
「そうね」
僕の言葉にララティーナが頷く。
「不思議なダンジョンね。ここは」
「……」
「そうですね」
アレシア様の言葉にララティーナが同意しなかったので、代わりに僕がララティーナの意見に同意する。
「おっ?広い部屋が見えてきた」
しばらくの間、ただただ広い廊下を歩いていた僕たちはその廊下を抜け、一つの広い部屋へと出る。
その先には巨大な鉄の扉も見える。
「……謎の材質、謎の模様が描かれた扉の次は巨大な鉄の扉か。なんかちょっと嫌だね」
「そうね」
「ですよね」
僕とアレシアは互いに話しながら、広い部屋へと足を踏み入れて進む。
「……ん?ララティーナ?どうしたの?」
僕は広い部屋の方へと足を踏み入れることなく、廊下の方でただ立っているだけのララティーナを見て首をかしげる。
「ごめんね」
ララティーナは一言、謝罪の言葉を告げた後、どこで拾ったのか。
いつの間にかその手に持っていたスイッチを押す。
「ほ?」
「……やっぱり」
すると突然。
僕とアレシア様のいた広い部屋の床が消滅し、下へ下へと落ちていく。
「ほっと」
そして、アレシア様より先に地面へと着地した僕は落ちてきたアレシア様に向けて魔力を噴射して勢いを殺し、彼女をお姫様抱っこの形で抱える。
「大丈夫ですか?」
「えぇ」
僕の言葉にアレシア様が頷いたのを見て僕はアレシア様を下ろす。
「ぐぎゃぎゃ……」
「ぐるるるるるる」
「ガァァァァァァァァァ」
壁に立てかけられている幾つもの青色の松明が地下の部屋を照らし、僕とアレシア様を照らし、そして。
多くの魔物たちを照らしてた。
「……それで、だけど」
僕たちが落ちた広い部屋の下。
そこには僕たちを囲むように大量の魔物が存在していた。
「アレシア様」
「うん。ララティーナが危ない」
「急ぎましょう」
僕とララティーナは一瞬の目配せで意思疎通を終わらせ、大量にいる魔物の方に突っ込んでいった。
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