第46話
「僕が鍛えている意味とは……?」
魔道具の圧倒的な力によって魔物が全滅するという圧倒的な戦果を目にした僕は思わずぽつりと感想を漏らす。
ゲームで魔道具の強さは理解していた。
だが、実際に目の前でここまでの差を見せつけられるとそう思わずにはいられない。
「あるから安心して良いわよ。これほどまでに強力な魔道具も数が少ないし、さっき使った光神の杖も使用したら一日時間を置かないと使えなくなるような代物だしね。魔道具はあくまで道具。本人の強さがあって初めてその力を発揮するのよ」
そんな僕に対して慰めと言えるような言葉をララティーナが告げる。
「むむぅ……僕も魔道具が欲しくなってくるな。メイドさんは邪道だと言って切り捨てていたけど」
メイドさんは魔道具なんか使っている暇があったら普通に剣で殴り掛かった方が強い!という脳筋丸出しのことを言っていた。
「まぁ、本当に規格外の実力者ならその結論に至ることもあるのしれないわね」
「いや、単純にメイドさんに魔道具を使う脳みそがないだけだと思うよ。あの人には力しかない。それ以外はもう何もない。あるとしてもクソったれた性格だけだよ」
「おぉ……想像以上の罵倒が飛んできた」
僕の言葉を聞いたララティーナが意外そうなものを見るような視線を僕へと向けてくる。
「ふん!これくらい言って当然のことを普段されているんだ……ッ!」
「和人がこんなに言うって相当じゃないかしら?」
「……あいつにもっと優しくするように言いつけておくわ」
「自分から降っておいてなんだけど、メイドさんの話題は僕の気分を良くする可能性がないのでこの辺でやめよ。早くダンジョンの先へと進んでいこ?もっと色々と探索したい」
「それもそうね。ここにずっととどまっているわけにもいかないしね」
「うん。そうだね」
僕の言葉にララティーナとアレシア様が頷く。
そして、僕たちは絨毯がなくなった石の道へと足をつけ、先へ先へと向かって歩き始めた。
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