第45話
蟲毒之王。
その名よりそいつ以外の魔物がいないと勝手に思っていたダンジョンなのだが……。
「おぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!?」
魔物は信じれない数湧いていた。
「多すぎ……だろ!?」
永遠と通路を埋め尽くす魔物の群れを悉く斬り捨てる僕であるが、魔物の波には終わりがまるで見えず、一生進めずにいた。
「うーん……なんというか戦いにくいわね」
僕が廊下で魔物と戦っている様子を少し後ろから眺めているララティーナが感想を漏らす。
「そうね」
そして、アレシア様もララティーナの意見に同意する。
廊下の横幅は長くない。
三人並んで戦闘するなんて不可能……僕が剣を振り回せばそれだけでスペースは一杯一杯になってしまう。
そのため、僕が最前線で一人戦い続ける羽目になっていた。
「これは魔道具を使った方が良いかしら?」
「……そうね。というかこれが初戦闘。派手に使っちゃっていいと思う」
「よし!じゃあ、魔道具を使っちゃおうか!退いて!和人!」
「了解」
僕は大きく踏み込み、最大限の力を込めて一振り。
自分の前にいる魔物すべてを吹き飛ばし、それだけでは止まらずにその先の魔物まで吹き飛ばす。
「ほっと」
少しばかり魔物の侵攻を止めた僕はバックステップでアレシア様たちの元まで戻る。
「ナイスよ」
それを確認したララティーナは自分の手にあった巨大な杖へと魔力を込め始める。
「さぁ……吹き飛ばしなさい」
巨大な杖に込められるだけの魔力を込めたララティーナはその杖を一振り。
「……ッ」
その杖から放たれるは巨大な光の奔流、光線。
魔力によって生み出された超高温の光線は目の前にいるすべての魔物を溶かし、床に敷かれる絨毯を消滅させて進んでいく。
「おぉー」
「いっちょ上がりね……流石は最高位の魔道具。威力がレべチね」
ララティーナが使った魔道具は僕がどれだけ剣を振り、どれだけの数の魔物を倒しても決して尽きることのなかった魔物の群れを全滅させたのだった。
……魔道具ってこんな強いの?
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