第42話
ダンジョン。
どういう理由で存在しているのか、どういう原理で成り立っているのか。どういう方法でダンジョンを徘徊している尽きることのない魔物が生まれているのか。ダンジョンに置かれている宝箱は一体どこから出てきたものなのか。
何もかもが不明で、魔力があるこの世界でも超常現象扱いされているダンジョン。
そんなダンジョン最大の特徴が明らかに外の大きさと中の大きさが比例していないということだ。
例えば地上5階建てくらいの塔型のダンジョンに入ると、中は地上50階まで続く巨大な塔になっていたりと言った具合だ。
「……本気で言っていますか?」
僕たちが行こうとしているダンジョンは今、来た街の近くある洞窟型のダンジョンであると僕は勝手に思っていたのだが、ララティーナ曰く。
今から向かうダンジョンはこの街の近くのある地点から上空10kmの地点にある空飛ぶダンジョンらしい……上空10kmとかエベレストより高いよ?
正気の沙汰じゃない。
その距離を十倍にしたら宇宙に行っちゃうよ?飛行機もないこの世界で。
正気の沙汰じゃない。
「大丈夫!私に任せて」
不安げな僕の言葉に対してララティーナは力強く頷く。
ララティーナがそう言うのであれば大丈夫なのかな……。
「待って。私もそのダンジョンの存在知らない」
そんなララティーナに対してアレシア様が口を開く。
……アレシア様でも知らないダンジョンとか大丈夫?一瞬浮かんだ安堵が消えうせたよ?
「まぁ、あまり知名度がないダンジョンだからね。伝説上の存在と言っても良いかもしれない」
「……」
そう話すララティーナに向けてアレシア様が疑わしいものを見るかのような視線を向ける。
僕の不安はどんどん高まっているよ?そろそろストップ高になっちゃうよ?上空10kmのヤバさがリアルに想像出来るから怖いよ?
酸素は?寒さは?行き返りの手段は?
「まぁまぁ、良いからそこで見てて?」
不安な僕とアレシア様を置いて、ララティーナは何やら作業を一人で始めたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます