第40話
冒険者ギルドでAランクの冒険者パーティーである護剣のメンバーとなんか意味ありげな出会いを果たした僕であったが、彼らは依頼があるとのことですぐに分かれることになった。
「んー。さすがに依頼を受けるのは違うよな」
自由を与えられているとはいえ、別の仕事をしだすのは問題だろう。
これで僕が街の外に出て死にましたなんてことになったら大変だ。
魔物との初戦闘はアレシア様たちとのダンジョン探索の時に持ち越すとしよう……別に楽しみでも何でもないけど。
「冒険者ギルドの方はまた今度だな……なんかテンプレも味わえたしもう十分かなぁ。とりあえず街の方をぶらぶらと歩いていれば何かしら見つかるよね」
僕はぶつぶつと小さな声で独り言をつぶやきながら冒険者ギルドを後にし、街をぼーっと歩く。
「魔法的な物品ないかな……」
一応僕は給料としてかなりの額をアリシア様から頂いている。
このお金があれば大体のものを買うことが出来るだろう。
「服も欲しいし、アクセサリーも欲しいし、小物も欲しいし……うーん。持って帰れるかな?」
所持金的には問題ないだろうが、僕の手の大きさには問題があるかもしれない。
「まぁ、なんとか出来なかったとしたら根性でなんとかしよう。というか未だ何も買ってないのに心配する必要なんてないよな。うん」
一人で延々としゃべりながら歩く不審者になりながら僕は街を練り歩くのだった。
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