第39話
僕の周りに集まるグラマラスな美女に血気盛んな少女に酒臭いおっさん。
人数はイケメンのおかげで減ったが、一人一人の個性と見ただけでわかる雰囲気の強さの質が上昇していた。
「みんな。俺たちが新人を困らせてどうするんだい?助けるために来たんだろう?」
そんな濃い面々に囲まれ、困惑していた僕の元に他の冒険者を散らしたイケメンが近づいてくる。
「そうだったわね」
「うちは悪ないわ」
「俺もギリギリ大丈夫だろって声を上げたいなぁ」
イケメンの言葉を受け、僕のすぐそばにいた三人は少しだけ下がって僕から距離を取る。
「すまなかったね。うちのパーティーメンバーが。俺の名前はガイ。Aランクの冒険者パーティー『護剣』のリーダーをやらせてもらっている。他の三人は僕のパーティーメンバーだよ」
「私はメロよ」
「うちの名はレイや。よろしくな」
「俺はハンスだ。まぁ、しがないおっさんだが、仲良くしてくれよ……若人に邪険に扱われたらおっさん悲しくて泣いちまうからな?」
「丁寧にありがとうございます。僕の名前はカズトと申します。どうぞお見知り置きを」
僕は護剣のパーティーメンバーの自己紹介に対して自分の自己紹介も返す。
「……その礼。貴族のそれと同じねぇ。貴族の子かしら?」
僕の礼を見たメロが口を開く。
「いえ、違いますよ。私はただの執事に他なりません。今日は非番でして……貴族の礼はついでにとのことで主人より教わりました」
「なるほど」
「執事なのにあんな強いん?ガンズの素行は決して褒められるようなもんじゃなかったが、それでもBランク冒険者。確実な実力者だったんやが」
「同じ主人に仕える同僚である僕のメイドは僕よりも遥かに強いですよ」
僕はレイさんの質問に答える。
「えぇ……さすがは貴族。使用人の強さにも気を遣うのか。じゃあなんで冒険者に護衛をお願いするんや?使用人と騎士で事足りるやろ」
「……別に執事やメイドに戦闘技能を求めるところはないと思うのだけど」
使用人の戦闘能力など僕が知るわけがない……まぁ、僕とメイドさん以外に強い使用人見たことないから使用人に強さは求めないだろう。
でも面白いから黙って置こう。
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