第10話

「んん……?」

 

 僕は脳内に突如として響き渡ってきた声に困惑し、首をかしげる。


「えー。どういうことだ……?スキル?え?あんの?僕にスキル?……ステータス?」

 

 僕はステータスと口に出した瞬間。

 突如として目の前に多くの文字が書かれた半透明のホログラムの出現する。


 ◆◆◆◆◆


 名前    牧ケ谷和人

 年齢    17歳

 魔力    1000

 スキル   運命に弄ばれる者  ステータス

 装備    なし

 

 攻撃力   F+1

 防御力   F+1

 俊敏性   F

 器用度   E

 精神力   B


 ◆◆◆◆◆

 

「おぉう……」

 

 僕はあまりに突然すぎて硬直し、なんとも言えない声を上げることしかできない。

 

「え、えっと……これはどう見ればいいんだ?」

 

 リリストにおいてステータスなんて画面はなかった。

 ゆえに攻撃力とか防御力とかが表示されてもこれをどう見ればいいのかがわからない。 

 Fだし、弱いってことで良いんだよね?

 

「魔力1000……普通?」

 

 魔力の数値であればゲームにも出てきたので理解することは出来る。

 だが、この数値はごく平均的な数値であり、決して多いとは言えない……魔力チートは出来なさそう。


「んで、最後のスキルか」

 

 スキルの画面に表示されている『運命に弄ばれる者』と『ステータス』。

 

「最初のアナウンス的には運命に弄ばれる者によって課せられた試練をクリアしたからステータスというスキルを得た……ということは、だ」

 

 僕が異世界に召喚されて与えられたスキルは『運命に弄ばれる者』。

 さしずめ試練として『スキル』なしの状態で異世界に召喚されたときどうするのか?的な内容か。

 なんで急に試練をクリアしたのかはわからないけど……その試練をクリアしたことで得点を得た……うぅむ。


「クソスキルじゃね?」

 

 使い勝手があまりにも悪い。

 詳細がわからないので何とも言えないが、勝手に試練を与えられるわけだろ?クソじゃん。

 補正効果とかスキル獲得とかは強力だが……その前に強大な試練があるとか嫌すぎるんだが。

 普通にそこそこ強いスキルが欲しかったんだが……。


「このスキル。考えようによってはスキルなしより致命的じゃねぇか……」

 

 スローライフとか絶対に無理じゃん。泣きそう。

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