第9話
「あーッ!!!つっかれった!」
僕はメイドさんに自室として案内された部屋のベッドにダイブし、大きな声をあげる。
案内された部屋はここが公爵家の屋敷だけあって結構豪華であり、そこに置かれているベッドもかなり質の良いものらしく、ベッドはダイブした僕の体を優しく受け止めてくれる。
「なんだよッ!これ!?マジでッ!!!」
ベッドにダイブした僕は勢いそのままに不満の言葉を口にする。
ゲームの世界に召喚され!?無能扱いを受け!?何を考えているかわからない悪役令嬢に身柄を捕獲され!?何の説明もないまま地獄の馬車道中突入!?
マジで何なんだよッ!このクソゲーはよォッ!!!
責任者どこだよ、マジでッ!!!運営どこ!?バグがあるよ!結構致命的な!誰か僕を助けて!?
「というか僕だけハードモードすぎんだろッ!?そしてスキルって何ッ!?」
ゲームにはスキルなんて謎制度なかったぞ!?
魔力でぶん殴り、ダンジョンから取れる魔道具でぶん殴るシンプルな戦闘スタイルだったぞ!?
スキルも魔法もないなァ!
マジでどうなっていやがる!?ここはゲームの世界ではない……いや、それにしては要素が多すぎるしな。
王女がいて、悪役令嬢がいたらもう確定でしょ、これは。
もうほんと意味わかんねぇ……。
「知識チート!なんて言っている余裕はないよなぁ……」
僕のあまりにも絶望的すぎる状況ではゲーム知識で無双してやるぜ!なんてことは出来ない。
そんな余裕ない。
というか、まず明日に僕の命があるかどうかもわからない。明日にも僕は殺されてもさほどおかしくはない。
「はぁー」
僕は自分のこれからの先について考えて深々とため息を吐く。
そんなときだった。
≪スキル『運命に弄ばれる者』の試練をクリアしました。スキル『ステータス』を獲得しました。力・防御のパロメーターに+1の補正を加えました≫
突如として僕の脳内に謎の声が響き渡ったのは。
「……は?」
僕はあまりにも突然すぎる事態を前に固まり、驚愕の言葉を口から漏らしたのだった。
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