第18話 ライブ合同合宿開始にゃー??
私たちはとりあえず舞台裏で、先生の話を聞いていた。
「ライブ合宿にゃ??」
「はい!実はスラチオ学園では、今から約2週間ほど夏休み期間があるのです!そこで私たちはこのライブ会場にテントを張り、夏合宿ということで!練習をしましょう!ということで生徒会長が準備してくれたようですよ」
「凄いですね……私たちの為にこんな会場を貸切って……夏合宿とは……」
「私!皆さんと一緒に過ごせるなんて最高でしゅううう!!」
先程聞いたのだが、どうやらこのウサギ族はリミィヤというらしい、昔から走り合っている人たちを見て、推しの活動をしているのだとか。
「ということで!さっそく練習!!と言いたいところですが……今日と明日は夏合宿に使う食材やテントなどは自力で買いに行ってください!!予算は金貨5枚!です!!寝る場所はここでもいいですし、舞台でもいいですし、外の大きな庭でもいいです!!サバイバルと夏合宿楽しみましょう!!あっ!先生はここでお別れです!皆さんで後は楽しんでくださいね~また帰りの日になれば迎えに来ますので~」
「「「わああ!!」」」
「皆キャンプする気満々にゃ!!?」
とみんな一斉に走っていく、私たちはとりあえず焦っても仕方ないと思い、ゆっくりとライブ会場を後にした。金貨1枚は私の世界で換算すると10,000円という計算かつ、今回1人5枚ずつということで私たちの組には合計5人分つまり25万円が渡されたのだ。
「それにしてもここのライブ会場ってかなり広いにゃ~」
「敷地の中に川とか池とか公園、さらには山と吊り橋までありますから……」
「山にはいきたくありませんわ!!」
「私は川がいいですね~」
「とりあえずまずはテントにゃ!!」
私達はひとまず寝床であるテントと、毛布類を買いに行く事にした。
テントには様々な種類があり、大人数で楽しめるテントの方がいいと思い。
スライに頼んで、5人分のテントを買った。
一応金貨2枚、約2万円分である。
何故こんなに安いのかというと、それはあまりに巨大なのはいい事なのだが……すべて手作りというところで、お金が安かったようだ。
「後はバーベキューコンロにゃ~」
「それは買わないでいいと思いますわ~」
「スライそれはどうしてにゃ??」
「バーベキューなら自分で石を積み上げて、作るのが良いのですわ~ですから~焼くときの網と着火用品だけ購入しましょう~」
「外で本格的なサバイバルする気満々ですわね……」
「そうですよ……それには私賛成でき……」
「その分節約できますので〜美味しいお肉や野菜がたくさん買えますわ~」
「それには私賛成ですね!!!」
お肉という言葉が出た瞬間、ロミの目が輝いて私たちを引っ張っていった。
結局、ロミの買い物に付き合ったあと、一旦エリと私・ミシュで残りの生活品を購入する事にした。
ロミとスライが居ない理由は、この2人がいると、絶対に歯止め効かなくなると思ったからで、別に嫌がらせしている訳では無い。
「いっぱい買ったにゃ……」
私達は両手に大量の荷物を持ちながら、ライブ会場の入り口を入っていく……これからは私たちのテントを立てるところを決める場所から、始めないといけない……
そうして歩き回ること約30分が経過したとき……
「良い所見つけたよー!!」
とミシュが笑いながら飛んでくる。
私達はひたすら荷物を持ってゆっくりと歩き出す。
25万円分のテント、無数の食べ物などなどを買ったため、あり得ないほど重いのだ。
テントやハンマー、飲み物などの重量系は力には自信のあるエリが、そして食材と皿などの日用品をロミが、お菓子類は私が担当している、スライとミシュは頑張って場所を探してくれたてため、手ぶらだった。
後、鳥族は飛ぶのにかなりエネルギーを使うので、荷物を持たせるのは悪いと思ったからでもある。
「まだ着きませんの……?もうかなり歩いてますわよ……」
「この会場の反対側だからね……結構かかるよ」
ミシュがふわふわと、私たちのペースに合わせて飛んでくれている。
その横にはスライがなぜか不満げに飛んでいる。
「私も見つけたかったですわ~」
「スライそれは仕方ないにゃ……」
「スライにはまだまだ手伝ってほしいことがたくさんありますわよ」
「わ~い!楽しみですわ~!」
そうして裏出口まで歩いた時、その奥にはなんと川が流れており、大きな岩が周りに鎮座している地形が見えてきた。
「こんなにいきなり地形が変わるのですわね……」
「ではここでキャンプをするにゃ!!まずは火を起こすために、薪と石を準備するにゃ!」
「薪は私が取ってきますわ~!」
とスライがここぞ!というかのように飛んでいった。
「相当場所決めできなかったことを根に持っていますわね……」
「エリさんは少し休憩してていいにゃー重い荷物運びお疲れ様にゃー」
ということで私たちは、スライが来るまで石に座り、川を眺めることにした。
火も少しづつ落ちてきて、周りが若干薄暗くなり始めたころ……スライが薪を大量に運んできた。
「ただいまですわ~はぁ~はあ~……とっても疲れましたわ~!!」
「これだけあれば足りると思う、お疲れスライ!」
ミシュが石を積み上げ、簡易的な焚火を作り始める、その手つきは慣れているのか、迷わずに作っていた。
「ミシュは、こういうことをした経験があるのですか?」
私の疑問を代わりに、ロミが質問してくれたことに若干ホッとする……本来は私が言わなければいけなかったのだが、あまりにも真剣に組み立てていたので、いうタイミングを逃してしまったのだ。
「昔お姉様と一緒によくキャンプに行ってたからね!一応少しだけど経験はあるよ!」
あっという間に完成した焚火に薪を入れ、そのまま火を起こす。
「それーですわ~」
「つけつけ~」
ミシュとスライが羽をはばたかせ、風を送っているという謎の現象が起こっている……
中々見る事は無いだろう、羽での風送りを。
周りはもう暗くなり、照らすのは焚火と買ったランタン10個くらいだった。
そして私たちはあることを忘れていた……もっと大事なことがあるということを……
「ねぇ、今気づいたけど、このテントどうするの??」
「「「え??」」」
ミシュの言葉に、皆横になっているテントを見る。
「「「「組み立てるの忘れてたあああ!!」」」」
誰もいない真っ暗なこの川で、私たちはついつい叫んでしまったのだった……。
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