外伝 大喧嘩にゃー


私達が早期入学をしてしばらく時が経ち、もう入学式間近という日の事……私達女の子が、5人も同じ部屋で生活をしている。

そう、普通に考えれば必ず喧嘩が起こる……。

私から喧嘩を始めることはないが……ある2人はかなりの頻度で喧嘩をする……そして今日も……


「エリ!!いい加減にしてくれませんか!!?」

「なんですの!!?いきなり!!」

「なんにゃあ……うるさいにゃあ……」


私はその喧嘩の声で起きる、私は昨日夜遅くまで起きていたため、まだ眠く目を擦っている。


「見てください!この量のお菓子を!エリが私のお菓子を盗んで、食べているのですよ!!」

「だからこれは!全部私が買ってきたのですわ!!」

「嘘言わないでください!!ちょくちょく私のお菓子やスイーツが無くなっているかと思えば……あなたの仕業でしたのね!!!」

「ということで、朝から喧嘩してるんだよね……ふああ……勘弁してほしい……」


ミシュがため息交じりに、私に話しかけてくる、どうやらミシュさんも喧嘩の声で起こされたらしく、やや不機嫌そうだった。

確かにエリの周りには、かなりの数のお菓子が置かれてあった……。


「だから私自身で買ったと言っていますわ!!」

「じゃあどうして、私の買ったお菓子と同じものなんですか!!?」

「そんなの知りませんわよ!!?たまたまですわ!!」

「たまたまで言い訳しても無駄です!!」

「やめるにゃ!!」


私はこれ以上酷くならないうちに、慌てて止める。正直喧嘩に私が横入りするのは、違うと思ったのだが……


「じゃあ誰か犯人か私達で探ったらどう?」

「決定にゃ!あれ?スライさんはどこ行ったにゃ?」

「私が起きる前にはもういませんでした」

「とりあえず今日の夜会議ですわ!!」


ということで、犯人捜しのための会議が、夜に行われることとなった……


私はうやむやを抱えながら、その日の夜を迎えた、目の前にはロミが立ち、小さなホワイトボードを持ってきている。

私とエリ・スライ・ミシュはその前に座っている。

ホワイトボードには『勝手に私のお菓子を食べたのは誰ですか!!白状して下さい!!』

と書かれていた……


「まず一番怪しいエリさんです!!あなたはお菓子やデザート、スイーツ等を食べますか?食べるときはどうしますか??」

「とばっちりですわ、私はお菓子等を食べるとき、毎回自分で買っていますわ!」

「じゃあ次シャーリンさん」

「私は食べないにゃ」


ここの世界のお菓子というものを、そもそも食べたことがないため、ここは自身気に言えるのが、幸いした。


「そういえば〜シャーリンさんは食べている所、私も見たことありませんわ~」

「それを言うなら、スライも食べてるところ見たことないにゃー?」

「そんなことないですわ~あったら食べますわ~」

「意外ですわね……」

「となると残りはミシュさんですね」

「私も自分で買ってる」

「じゃあ一体、誰が食べているんですか!!?」

「あり得るのは、自分で食べて忘れたとかですわ~」


スライがまともなことを話し出した、私達も、ロミの性格上、食べたことを忘れそうな感じはあったのだ。


「私が食べたことを忘れるなんて……ありえません!!」

「本当かにゃあ……」

「シャーリン、本当におかし食べてないんですね??」

「断じて宣言するにゃ」


何故か私に疑いの目が欠けられて、慌てて弁解する。

私まで疑われるのは勘弁……


「人に疑いをかけると、関係が悪くなりますわよ!」

「それは分かっています……ですが……私に食べる!と一言言ってもいいじゃないですか?無断で食べているというところを話しているんです!!」

「でもあなたが買ったわけではないですわよね?お祭りの景品ではありません??」

「うっ……そうですが……」

「とりあえず、私は散歩してきますわ~」


スライは話に飽きたのか、そのままドアを開け飛び去ってしまった……


「あれ??」


私は玄関に落ちている袋を見る。

そこには景品のお菓子が落ちてあった。


「これって……」

「私のお菓子ですわ!!」

「まさか犯人って……」

「追いかけますよ!!」

「にゃああ!?」


私達は慌てて、スライを追いかけたのだった。


「ん~お散歩中のお菓子は最高ですわ~」


スライはパクパクと、お菓子を抱えながら歩いている。


「「「みつけたぞ~~~!!!スライいいい!!!」」」

「きゃー!!!ですわ~!!!」


とスライが慌てて飛ぼうとする……

しかし、私たちには策がある。


「ミシュさん早くアレを!!」

「はいはい……」

「きゃわー!!?」

「私の必殺水鉄砲ですわ!!」

「飛べませんわ~!!!」

「覚悟~!!」


とロミが走って追いかける。

蝶が飛べなくなったら、本来もう陸上部に勝てるはずもないが……


「怖いですわ~!!!逃げますわ~~!!」


とスライも走り出していく……

私が思っているよりも走るのが早い。


「スライさん走るの早いにゃ!!?」

「良いから追いかけましてよ!!」

「私飛んで追いかけます!」


ミシュもいつしか参加していた。

ミシュに関しては、もうお遊び参加だろう……


「あわわ~ですわ~!!」

「スライ覚悟―!!」


とミシュが水鉄砲を抱える。

撃ちぬけゲーム化しているが、それには敢えて触れないでおこう……


「負けませんわ~!!」

「え??きゃー-!!」


スライが横に避けた瞬間、ミシュは横の川に飛び込んだ。。


「今のうちに逃げますわ~♪」

「待て~!!」


私もようやくミシュの背中に追いつくと、手を伸ばす……も横に避けられ私はギリギリに止まる……


「そこ滑りますわ~」

「にゃ??にゃーん!!!」


私の踏ん張った足が滑り、そのまま滑り台を滑ってしまう。

かなり長い滑り台で、下に着いた時はしばらく目を回していた。

目を覚ました私は、3人に追いつき、再びスライを追っている……そこはかなりの急坂で、坂の下には……



「このまま逃げ切りですわ~♪」

「させませんよ!!」

「ちょっと前!!川ですわ!!」

「無理にゃ止まれないにゃ!!」

「いやですわ~~~!!!」

「助けて―――!!!」


と私たちはミシュ以外、そのまま川に突っ込んだのだった……



一方その頃、生徒会室では……


「何やら外が騒がしいですね……シュレーヌ会長」

「あぁ……楽しそうで何よりだな」

「あそこから先は川です!!私様子を見てきますね!」

「あぁ……リンカよろしく頼む」



「ぷはぁ!!」


幸いにも川自体は、そこまで深くなかったらしく、すぐに私たちは陸に戻ることが出来た。


「スライ……どういうことですか??」


(あっ……ロミ本気で怒ってるにゃ……)


「ごめんなさいですわ~だってロミに聞こうにも絶対に『私の大切なお菓子だから絶対にあげない!』って言われると思ったのですわ~!」

「確かに言うにゃ……」

「言いますわね……」

「うん、間違いないね……」

「言いません!!なんですか!!まるで私とお菓子とデザートが、一心同体みたいなぁ……あっパフェですわ!!!」


ロミがパフェ屋を見つけると、猛ダッシュで走っていく……その様子に、私たちはもはや、おやつはロミと一心同体なんじゃないかと考えたのだった。


「とりあえずスライも謝ったことです、スライには、私のお菓子及び皆に迷惑をかけた罰として!今日は私達5人へのパフェおごりです!!」

「わーん!!いやですわ~~!!」

「罰ですからね……仕方ない……」

「まぁ……自業自得だにゃ……」

「は~い……ですわぁ~……」


スライは泣きながらも、10個パフェを買うことになるのだった……

こうして喧嘩はなんとかスライの謝罪と、パフェおごりによって丸く収まり、近々来る入学式へと、意気込むのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る