第25話 魔人協会

―ここは、魔人協会本部


人間の国は


ライン王国、ノルン共和国、ガンダール帝国の三つ


魔族側は


不死者の大王、吸血鬼の女王、森妖精の女王、竜人族の大王、獣人族の大王の五つ


世界はおおよそ8つに分けられている。魔族と人間側も丁度半分の勢力だ。


「今回の出席者はお前だけか、第五席次のシャル・エルデス」


「ねえ、リーダーに質問。なんで吸血鬼の女王を襲わせたんですかあ」


ちなみに俺はこの組織のリーダーをやっているベノムだ。リーダーであるが実力は第三席次以下だ


「試行と、あと、ここの本部だけだと動きづらいからあの領土に新たに本部を作る」


「ふーん、めんどくさいね」


この組織は俺と、一から七までの席次のもと八人で構成している。この八人で初代の魔王様を復活させることがこの組織の悲願だ


「あと一つ質問、魔族は人間たちに戦争を仕掛けようとはしないのかな。魔王はスキルをたくさん持てて強そうなのに」


「まあ、言いたいこともわかる。本来、スキルは希少であり持つことができても一つのカラダに一つだけ。しかし、魔王のカラダは複数持つことができる」


初代の魔王はその体に10個の神の名を持つスキルを宿していた。魔王の先祖はもちろんその初代魔王につながっているため複数持つことができる。しかし、勇者も同様にスキルを複数持つことによって世界は均衡に保たれていた


「だが、どの魔王も現在の勇者には勝てないだろう」


初代魔王の実力よりも今の魔王は確実に劣っている


「ふーん、だったら勇者が魔族を滅亡させればいいじゃん」


まあ当然の反応である


「ここからは推測だが勇者は戦うことを望んでいないんだろうな」


先代の勇者たちがそうだったように


「シャル、ところでなんだその身なりは。それとも人間だった頃が懐かしいのか」


「まさか」


人でなくなったため、莫大な寿命を手に入れた。その代償にたくさんの人間の命を奪ってきたがそれは昔の話だ


「これから表舞台に立つ、だから戦力補強に入る。シャルは吸血鬼の女王の地にいって状況を報告しろ」


「ええ、めんどくさいけど、やることないからいっかあ」


シャルは任務地へと姿を消す


もう行ったか・・・


「あああああああ、リーダー大変だよ。もうやめたい・・・」


まとめきれない不甲斐ないリーダーだとベノムは思い悩んだ





―あと・・あと少し


「レオっ、あと少しだ。気合入れてくぞ」


「あいっ、兄貴」


この世界に来てから女性(年下)としか関わっていなかったからなんか初めて男の仲間ができてうれしい。レオとカレンは戦いに慣れていないため、火おこしやテント張り、炊事など様々な場面で活躍してくれた。特にカレンはとても器用だ


「ルミナ、そろそろじゃない」


「アリス大正解!ここからは、発生する魔物は全部私の眷属だから安心して」


やっとかあ・・それにしても聞いていた通り、木々が炭と化している。


「私の家は・・意外と原型は残ってる!」


ルミナ・スプレッドの家であるスプレッド邸は原型はとどめていたものの内装は酷いありさまだった


「ルミナ、この家を可愛くリフォームするよ」


「アリス、りふぉーむってなに」


「新しく家を作り直すの」


おいおい、待て。東京のとあるテーマパークのシ〇デレラ城と大差ないよ。本気でやる気か


「よっしゃあ、兄貴頑張りましょう」


「私も頑張るの」


ここまで来るのにかなり疲れたのに。やる気ないのは俺だけ・・もう―


「やるぞ、今日までに寝床だけは作ろう」


「兄貴さすがです」


いや、俺まだ何もしてないよ


「みんなで、役割分担するよお。アリスが家具を作るからレオとお兄ちゃんは材料を集めてきて。カレンとルミナは掃除係ね」


みんなそれぞれの持ち場へと移る


「材料って言っても、使えそうな木がなさそうだな」


ほとんどの木々が炭となっていて使えそうもない


「兄貴、これとかどうすか」


おお、レオがいいの見つけたな。これを切り倒して少しずつ運んでいこう


「やるじゃんレオ、それもっていk―」


突然、何者かにレオが吹き飛ばされる


急に現れたコイツは一体何者だ

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