第23話 逃走
早く、レオたちを見つけないと。無事、アリスのもとにたどり着いてほしい。
「スグルー、おーい」
遠くの方からこちらに向けて声がする
あれはルミナか、どうしてここにいるんだ
「やっと見つけた。早く行くよ」
「どうして、俺がここにいるってわかった?」
なぜ関係のないルミナがここにいるんだ
「馬鹿ね、スグルの行動は私たちに筒抜けよ」
えっ、なんで知ってるんだ
この件はアリスとルミナに内緒でやったことだ
レオたちが伝えたのだろうか・・
「レオたちは無事なのか」
「レオ?スグルと一緒にいた少年は見てないよ」
どういうことだ。レオが教えたんじゃないのか・・確かに伝えてからここに来るまでにしてはさすがに早いか。じゃあ―
「じゃあ、探さ―」
「今、アリスから連絡があったよ。二人無事確保したから国を出る準備してだって」
えええええ、手際よすぎだろ
「おっ、おう」
それより、どうやって連絡取ってるんだよ。この世界に電話なんてないだろ
「ルミナ、その片耳に着けてるのはなんだ」
「アリスが作ったエアーポンズだよ、これで連絡取りあえるんだあ
エアーポンズって、本来スピーカーであって連絡機能はふつうないからね。そろそろアリスはこの世界の文明を創りかえるかもしれない
「やっぱりアリス怒ってた?」
「いや、特に。楽しそうな顔してたよ」
余計怖いわ。帰ったらなんて謝ろうか・・・
―マルクス邸にて、
「ナバル、ナバル起きろ」
「アリウスか・・俺は、かなり寝ていたようだな」
僕も同様に二時間程度眠らされていたようだ
「マルクス様は大丈夫なのか」
「ああ、命に別条はないようだ」
「そうか、よかった」
もし助けられなかったら、我が剣聖、クラリス家も騎士団長も危うかっただろう。今月の王宮のテロ事件は二回目、何か因果関係があるのだろうか。そして、あの少女には逃げられてしまった。
ガタンっと強い勢いでドアが開かれる
「誰だっ」
「ナバル様、アリウス様に報告があります」
剣聖の部下のようだ
報告・・逃亡先だろうか
「話してみよ」
「反逆者はライン王国国境を出て・・・」
くそっ、隣の自由国家、ノルン共和国に亡命されたか・・
「魔王領へ向かって逃走しました」
「「なっ」」
いったいどういうつもりだ。魔族の手下だったのか、ただ、人間を受け入れてくれるような優しい世界ではない。なぜ、
「ナバル、これは逆に手を出しづらくなりましたね」
「ああ、次の遠征の議題に入れるしかないか」
僕には分かる。反逆者を擁護したいわけではないが、皆、悲しい目をしていた。理由は分からないが、僕が彼らを正しい道に連れ戻す。そうしなければならないとと思った
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