第19夜 辛くて暗くて
「冥朗、お前さえいなければ」
「お前は無力だ」
「私の家族を返せ」
「何で僕がこんな目に」
「悪いことなんてしてない」
「そうだ、全部」
「全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブ!!」
「……お前のせいだ」
そう言われて
「……天朗」
「冥朗のせいで私は死んだ」
いつも僕は悪役で、
「やぁ、会えて嬉しいよ」
「久しぶりだね、春夢」
冥朗が地といえるか分からないが、底に足を着けると黒い空間が白に染まっていく。
「椅子にかけたまえよ、冥朗」
「春夢って、そんな喋り方だったけ」
「今日はそういう気分なのだ~」
春夢、正確には一場春夢という。冥朗の夢によく出てくる正体不明の女だ。姿はぼやけていて分からないが、仮面を着けていることだけは分かる。奇妙な笑みを浮かべ、泣いている仮面を。
「さて、今日はどんなことを話そうか」
いつも春夢は冥朗と喋りたがる。話すのが苦手な冥朗であっても、春夢と話すのは不思議と嫌ではなかった。
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