第6夜 剣術大会 Ⅶ
「それでは選手に登場していただきましょう!西側から出て来ていただくのは今回、剣術大会に初参戦であります!期待の二年生、
わあぁぁぁ!と観客席から大きな歓声が上がる。
「
「Saku, if you hurt my friend, I'll blow you up.ってとこですかね。」
「ええと、つまり?」
「能ある鷹は爪を隠す、ってことです」
英語が得意な人はお分かりでしょう。芽悪が言ったのは「朔、てめえ先輩を傷つけたら
「朔選手、観客の皆様に何か一言ありますでしょうか」
「観客には何もないが、芽悪には一言」
「キャー!!何、愛の告白?!ごめん朔、私は冥朗先輩にぞっこんなんだわ!!」
「……There's no way I can win.」
これは「俺が勝てるわけがない」ですね。否定はしませんが、良い線は行くと思うんですが。
「あー、そんなことか」
「え、なんですか全く理解できていない観客席の皆様と私なんですが」
「えーと、俺はそんなに評価されるほど強くない、寧ろ弱々だぁー。って言ってます!」
「……おい」
「は、はあ……。では気を取り直しまして……」
朔は実況席にちゃっかり居座っている芽悪に冷たい視線を送り、芽悪は目を細めながら機嫌がよさそうに朔を見下ろしている。まったく仲が良いんだか悪いんだか……。そんなところも、あの子たちの面白いところの一つなんですがね。さて、本命の登場ですかね。
「それでは対戦相手の選手に登場していただきましょう!東側から出て来ていただくのは昨年度の剣術大会の王者!二年生の絶対的王者、咲真冥朗選手ー!!」
朔が登場したときよりも遥かに大きな歓声が上がる。東側の出入り口からゆっくりとした足取りで腰に剣を
「
「
そんなブーイングをくらいながら生徒は紹介を続けたのでありました。
「良いんですかねぇ……」
そんなことを言いながら、珍しい服を着た男はそのまま闘技場を見下ろしていた。
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