第13夜 気付いてしまった感情 Ⅱ
戴冠式が始まり、ボーオ村からの祝電の順番が来た。『この日を大変喜ばしく感じる、訳がない。我々は大変、遺憾に感じている。』この発言に対して国王はボーオ村の住民を捕らえるよう命じた、が一流の魔術師に兵士達が勝てるわけもなく、青年の言葉は続いた。ボーオ村の代表として話していたのは
呪いの効果はもう1つあり、憎みや恨みを増幅させると共に身体をどんどん蝕み、身体がどんどん宝石に変わっていき、やがて死に追いやるという呪いであった。戴冠式の後、佐布はロベリアとの婚約を解消し、第2王子の
***
「土朗、何があったんだ」
「水朗兄さまに伝えることではございませんよ、何も知らず死んでください」
近衛騎士団や水は先に咲真家へ向かわせてしまったため、この現場には水朗と土朗の2人だけだ。さて、どうしたものか……。土朗からは次々と剣が振り下ろされてくる。しかも雨の後だからか、地面がぬかるんで移動しにくい。その時だ、水朗は木の根もとに足を引っ掛けて転んでしまったのである。
「あぁ、残念です」
そう言って土朗の剣が振り下ろされてくる。ここまでか、そう思った。最後に冥朗に会いたかった……。ぎゅっ、と目を瞑る。しかし、いくら待っても痛みは感じない。ゆっくりと目を開ける。
「……それは破滅の序章──報いはなく、救いもない。さぁ、序曲を奏でよう」
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