第12夜 True Villain Ⅰ
─そこまで堕ちちゃったかぁ。でも春夢はそんなことで諦めたりしないんだぞ~!!…………だってお姉ちゃんだもん、ね。
***
「炎朗様!!咲真家の裏で王宮直属兵士が4名串刺しにされて死亡していました!」
「……、そんなことを誰が許した?」
「はい?」
「……誰が死んで良いと許しを出したときいているんだ!!」
許し……か……。
「犯人は誰だ、突き止めろ。で、咲真さん、いい加減に話したらどうですかねぇ、スパイを匿っていたのは咲真家ですってね」
「…………」
「まだ黙りですか、咲真さん。これでも融通は利かせている方なんですがねぇ!!」
また少し赤が飛び散る。あぁ、興奮するねぇ。
「炎朗様……」
「犯人は見つかったのか?」
「はい、そうです」
「で、誰だった」
「………………はい、僕がやりました!」
「…………………………………は?」
その顔だよ、その顔。うっとりするよねー、その驚きと恐怖に溺れたその顔、さいっこう!!兵士から奪ったの鎧を脱ぎ捨てて、その場から後退する。どうやら警戒され始めたみたいで、敵意が丸出しだ。
「何者だ」
「え~、君達が付けた名前だとナイト・アウルかな~。ちなみに僕はえーと、2Mかなぁ~、で!僕の隣にいるのが2Kだよ!!」
「もう話さなくても良くないか、2M」
「駄目だめ!短い間の付き合いでも挨拶は大事だいじ!それであとは3Mと3S、1Sと1Rがいるね!」
張り付けた笑顔で、今にも笑いだしそうな顔を堪える。いや前言撤回する。"笑いだしそう"ではない、 今にも"壊してしまいそう"だ。炎朗は手が震えているのを隠そうと、強気に出たらしく
「目的はなんだ?」
と軽蔑してから一言。
「え~、目的ぃ~?」
「我らナイト・アウルにそんな欲望はない」
「え~、待ってよ2K。あるじゃん1つだけ」
「……そうか、ならば言ってやれ」
はぁ、たまらない。奇炎は瞳の奥で復讐の業火を灯しているような強い意思が感じられる。じゃあ僕も活躍しないとね。
「はいはーい、みんなちゅーもーく!!」
野次馬や兵士達が揃って僕に視線を向ける。……どんな顔するんだろ。自分達で仮面を取る、これは復讐の始まり。
「まずみんなに説明で~す。咲真さんは僕達に洗脳されていただけで、な~んにも悪いことはしてないから安心してね☆彡」
みな、唖然として僕の方を見ている。それは、そうだよな。僕たちはお前らが……
「あともう1つ~!君達ニージオ帝国が滅ぼしたボーオ村の住民の代表が地獄の底から帰ってきったよぉー!!!」
滅ぼした村の生き残りなんだから。
「ねぇ、今。どんな気持ち?」
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