第14話 中学生の妹が配信できた理由がやばすぎる……

「よし…… とりあえず、100位以内に入ったな」


 彩音との約束をしたのち、俺はソロでランク戦をしていた。

 学校もあるし、何よりアジア2位にまでなるくらいやった後だからっていうのもあるが、開幕ランキングのやる気がなくて出遅れている。

 

 正直毎日8〜10時間以上はゲームしないと、1位どころか100位すらもいけるかわからない。

 そんな中、学校終わって課題も終わらせてからやって現在89位。

 

(誰か褒めてくれよ、こんな短時間で維持できている俺を……)


「とりあえずSNSに投稿っと…… いや〜俺のアンチがランキング戦やってるの気づいて、ゴースティング(大物や配信者と同じ時間にあえて被せて、同じ試合に意図的に参加して荒らしたりすること)されたけど、弱すぎなこいつら」


 SNSには89位に乗りました!! アンチのやつら弱すぎて、ボコったわwwwwwと投稿した。

 案の定、投稿から数分で投稿に対してのコメントでアンチの方々からのお気持ち表明の荒らしコメントや暴言が来た。


「えっと、この人は…… うわ、SNSの1000億円プレゼント企画に欲しいです コメントばっか……」


「こっちは、えっっなアカウントばっかにコメント……」


 いやまあ自分で言うのもあれではあるけど、トッププレイヤーに批判や悪口を書くような人はそういう感じだろうとは思っていた。

 実際に見るとそんな感じで、何か悲しい感じになった。



「ん…… あれ…… でも応援コメントも来る」


 荒らしコメントに埋もれていて、最初は見えなかったが応援コメントも数件きていた。

 前まではこんなこと、数ヶ月に1回あるかって感じだったから嬉しい。


(ありがたいことに、海外プロに目をつけられたのもあるかもな……)


 俺は批判コメントを完全に無視し、応援コメントにありがとうございますと返信した。

 コンコンとドアをノックする音が聞こえた。


「お兄ちゃん、もう行ける??」


「マッチまでの時間で用意したから行けるよ」


 俺は白色のパーカにズボンといういつもと同じ格好で部屋を出た。

 

「お兄ちゃん、いつもその格好だね」


「俺にオシャレとかいう称号は似合わない」


「ふふっ……」


 彩音は俺の言葉を聞いて、鼻で笑った。


「んじゃあ、行くか」


「うん、鍵も閉めたし おっけ〜」


 俺と彩音は家を出て、ファミレスに向かって歩き始めた。


「生々しいこと聞いて悪いが…… そういえば、配信の収益とかってどうやって貰っているの??」


「私は中学生だから現金ではもらえてないよ〜 ただインターネットサイトのギフト券に交換っていうのはできる!!」


「まあそうだよな…… 俺は高校生になったから現金で受け取れるから気になっていてさ」


「一応事務所っていうか、うーちゃんパパに詳しいこと言わないでって言われているから言えないけど……」


「ちょっと待って」


 俺はナチュラルにとんでもないことを彩音が言っていたのを聞いて話を止めた。


「ん〜 どうしたの??」


「どうしたのも何も、うーちゃんのパパがって……」


「あ〜 うちの事務所、うーちゃんのパパが社長の配信サイトの運営をしてるんだよ〜 だからお母さんが配信するのを許してくれた!!」


「まじかよ……」


 よく考えたら不思議だった。

 去年まで中学1年生だった彩音が、配信サイトでゲームすることに母が許してくれるというのが疑問だった。

 

(確かに友達のお父さんが運営なら安心か…… それにいつも配信にアンチや暴言がないっていうのもすごいと思ってたがそういうことだったか……)


 彩音の配信はよくあるアンチコメントが投稿されるたびに目にも留まらぬ速さで削除される。

 

(配信は大手事務所だから、モデレーターさんの力がすごいと思っていたが、まさかのそれの上をいくサイト本体の運営か……)


「親友の親が運営なら、母さんも許してくれるよな……」


「うん!! だから今のところ事件とかに巻き込まれてないよ〜」


「それはよかった、彩音はあんまり知らないと思うが…… ネットの民は怖いぞ……」


「そうだよね、気を付ける!!」


(前から思ってたがあまりにも純粋すぎる…… こんな感じなのにFPS最強……)


 そんな会話をしているとレストランの前についた。

 俺と彩音は予約をしていたので、店の中に入ると席に案内された。


「お兄ちゃんは何食べる??」


「そうだな……」


 俺はメニュー表を開いた。

 ハンバーグやステーキ、ピザにパスタなど洋風の料理がメインのお店でどれも美味しそうだ。


「ここは無難にハンバーグとかにしようかな 彩音は何にするの??」


「私はオムライスにする!! ここのオムライス美味しいって有名なんだよ〜」


「そうなんだ、んじゃあ俺も同じのにしようかな」


 俺はハンバーグをやめて、オムライスにした。

 注文してしばらくすると、オムライスが僕たちの席に届いた。


「こちらオムライスです、ごゆっくりどうぞ」


 店員の人がそういい、伝票を置いた。

 俺はスプーンを共用の場所から取り出して、彩音に渡した。


「ありがと!!」


「うん、まあ食べようか」


 俺と彩音はオムライスを食べ始めた。


「ん〜 これは美味しい〜 SNSで有名で気になってたからきてよかった〜 ってお兄ちゃんもう食べ終わったの??」


「……はっ」


 俺は自分の皿を見ると、あまりにも美味しくて半分以上食べ終わっていた。


「ほら、一気に食べるから お口にケチャップついてるよ〜」


「え??」


 彩音はそう言って、僕の口についていたケチャップを紙で拭いた。


「ありがとう……」


「えへへ〜 お兄ちゃんってなんか子供っぽい」


「……なんかバカにされている気がする」


「そんなことないよ〜」


 俺たちは日常会話をしながら、オムライスを食べすすめた。


 





※後書き

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