朔
何かが足りない
私は必死に探している
枕の裏を
引き出しを
果てには鏡の奥までを
それが足りない
足りない
必要なモノだと
分かるだろうか
ああ悪戯な
悪魔の仕業か
はたまた他人の
悪事の内か
私は部屋を掻きむしる
それが足りない
足りない
とうとう私は狂いを起こし
窓へ飛び出すのだ
その時光る満月が
如何様にも美しく
これを探していたのかと
腑に落ちるものがあったのだ
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