細波が逃げていく
春乃よど
汀
波の音があまりに心地いいので
私とあなたはもう少し
歩いてみたり
涼しげな風がちらりと
こちらを見つけた様子
あっ
と声を出してしまう
右手の温度は
渚を離れてゆきます
難しい気持ちはまだ
砂をなでていて
もう少しだけ
歩いてみたり
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