第31話 最悪な妄想、団結
「これでお願いします!!」
ミワコに採集してきたれっどふらわぁを提供した。
メイと王子の2人は必要数しか取ってきていないが、俺はカンストまで持ってきた。
足りないなんて事はありえないだろう。
「はい〜確かに〜れっどふらわぁ100個ずつ頂きました〜」
ミワコは店の奥に入り、作業を始めた。
あぁ遂にだ。
スライムヘッドの卒業とペアルックの2つで幸せ2倍!
もう幸せすぎて死んでもいい〜
さっき死んだばっかだけど……
まだかな…!まだかな……!!
~~~
「はい〜完成しました〜」
ミワコが完成品を持って登場した。
その完成品を王子は受け取った。
「ありがとうございます!じゃあわん!早速着よっか?」
「私たちわんと同じ服着られてめっちゃ嬉しいです!こんなに光栄な事ないですよ!」
「ほんとに?嬉しいな」
思わず顔から笑みがこぼれる。
それに呼応するように2人も微笑んだ。
「ほんとだよ!私たちわんの事めっちゃ大好きだもん!もう好き好き!!はいどうぞ!」
王子から装備を受け取った。
手から重みが感じられる。
これが…全身の特殊装備か…
装備の性能の良さが手に取れた。
装備は色鮮やかな青色で現代風、若者が好んで着そうなカジュアルな服装だった。
「じゃあ早速着ちゃおうかな」
俺がその装備を着ようとした時だった。
「あ!待って!!」
その手を王子に掴まれた。
王子から出るとは思えないようか強い力でだ。
「それ私のやつだった!わんはこっち」
そう言って見慣れた特殊装備を渡された。
茶色の帽子、とぐろを巻いた形、そう…スライムヘッドだった。
「わんはやっぱりこれだよね〜」
「またそのクソみたいな頭でよろしくお願いします!」
2人の笑顔がだんだん歪んでいく。
まさか…結局なのか……
うっ…………
「Nooooooo!!!!」
~~~
ハッ…!
「わんどうしたの?そんなに汗だくで」
「い、いやなんでもない……」
どうやらこの状況に緊張しすぎて妄想してしまったようだ。
頭を確認すると、やはりスライムヘッドがある。
いや…大丈夫だ。こっから変わるんだから……
「2人とも完成しましたよ!」
メイが俺たちに呼びかけた。
その手には完成品。だが、黒い布で上から覆われて見えないようにいる。
「ようやくだね。早速着ようよ!」
メイの分を残し、メイから王子が装備を受け取った。
そして、俺に駆け寄る。
「はいこれわんの分!」
俺は装備を受け取った。
やはり重みを感じる。
その性能の良さが見て取れた。
「じゃあ早速お披露目会しちゃいますか!2人とも装備しちゃって!!」
「分かりました〜」
……緊張するな…
意を決し、俺は特殊装備を装備した。
装備の肌感がひしひしと伝わってくる。
これが……
「わぁ!可愛い〜」
「めちゃめちゃ良いですね!!」
2人を見ると、2人とも装備し終わった後だった。
男女なので多少の違いはあるが、系統は俺と同じ服装である。
3人は目を見合わせた。
赤を基調とし、ワンポイントで白も入った和の着物。
俺は袴だね。
これが俺たちの特殊装備だ。
王子曰く、イクシードの街並みに合わせたものだと言う。
彼女の言う通りイクシードにとても馴染んでいた。
「王子凄いよ!よくこんなの出来たね!」
「えへへ」
「……」
こうして俺たちはまた1つ団結力をあげたのだった。
--続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます